2014年8月30日土曜日

ミズギボウシ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 8月ももうすぐ終わりとなりました。私は昨日湿地の調査で出かけていたのですが,その一つ,天白区の島田湿地ではミズギボウシの花が咲いていました
 白と紫の色合いが繊細な感じの花ですね。余談ながら「みずぎぼうし」とパソコンで打って変換させると・・・

「水着帽子」 (!)

水着も帽子もプールの必需品。なるほど夏らしいネーミングではありますが(笑),もちろん語源はそうでなくて

「水擬宝珠」

擬宝珠(読み方は「ぎぼうしゅ」「ぎぼし」)は,橋の欄干や階段の手すりなどにつけてある玉ねぎのような形の装飾のこと。つぼみがこれに似ているからこの名があるそうです。でも実際のつぼみは細長くて,それほど玉ねぎ形とは言えませんね。あと,「水」は湿地のような水の多い場所に生えることから名づけられ,近縁種にはコバギボウシ,オオバギボウシというものなどがあります。

 ミズギボウシの近くではシラタマホシクサもつぼみを成長させていました
 
 その島田湿地では一面にビニールテープで区画が設定されていました。おそらく詳細な植生調査が行われるのでしょう。
 これを一つ一つ,どのような植物が生えているのか調査するのはとても大変な作業ですが,このような地道な調査が,湿地を保全していく上ではとても大切なのです。
 

2014年8月28日木曜日

土砂が流された痕跡

 みなさまこんにちは,よしだです。

 8月も終わりに近づいて,猛暑もようやくひと段落した感がありますね。それでも毎日曇ったり雨が降ったり。青空らしい青空を見ないまま,夏が終わってしまうのかもしれません。

 さて,少し前に広島市で大規模な土石流災害が発生しました。たくさんの方が犠牲になり,今なお行方不明の方がいるという痛ましい災害となってしまいましたが,山に降った水の力が如何にすさまじいものかを知らしめたものでした。

 大雨のあと急な増水が起こることは,先日のブログでも紹介した通り,八竜湿地のようなごく小さな流域面積しかない場所でも発生しています。じつは,大雨で土砂が急激に流された痕跡も,身近なところで見ることができます

大雨の怖さ
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2014/08/blog-post_19.html

 それは炭焼き小屋のすぐ近く,上にランドルフ記念講堂がある斜面です。勢いよく水が流れたことで小さな谷ができています。下の写真はちょっとわかりにくいですが,画面左上から右下にかけて,ちょうど対角線上がやや茶色になっているのが見えます。他は落ち葉がありますが,ここだけ土がむき出しになっています。
専門用語ではこれを細溝(さいこう),あるいは「リル」というのだそうです。 この小さな谷では,水と一緒に土砂も一緒に流れていきました。しかし斜面の下,遊歩道になっている平らな場所ではその勢いが弱められ,土や石,落ち葉がたまっています。下の写真で白く見えるのがたまった土砂です。
もちろんこの程度では何ら災害は発生しないのですが,身近なところで自然の作用を見ておくことも大切では,と思っています。
 

2014年8月22日金曜日

白百合の花

 みなさまこんにちは,吉田です。

 暑い毎日が続いていますが,それでも生きものは季節の変化を感じていて,ツクツクホウシが鳴きはじめたりしていますね。そして学内を歩いていると,白い花を見かけるようになりました。
タカサゴユリです

 ユリの仲間はたくさんありますが,白いユリは実に涼しげですね。そして忘れてならないのは金城の花でもあること。校章の中心に白百合が描かれていることは,金城のみなさんならよくご存じのことでしょう。植栽の中からひゅっと身を乗り出すように咲いていたりします。学内のあちこちで咲いているので,ちょっと探してみてはいかがでしょうか。
 

2014年8月19日火曜日

大雨の怖さ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 夏休みでブログもしばらく「お休み中」でしたが,今日からまた更新をしていきます。

 それにしても今年の夏は晴れませんね。イネが大凶作となって,タイなどから米を緊急輸入した1993年の夏も全くと言っていいほど晴れなかった記憶がありますが,あの年は「冷夏」だったのに対し,今年は「猛暑」。曇っていてもとにかく暑い! そして集中する大雨。いつもなら梅雨末期に起こるような現象がずっと続いているような印象です。

 さて,大雨や台風が続いたこともあって,昨日は八竜湿地の流量測定装置のメンテナンスに行ってきました。装置手前に泥がたまってしまったのでその掻き出しと,データの回収です。
この写真は大雨後の8月8日に撮ったものです

 さて,研究室に帰って
データを見てびっくり!

 守山区内で浸水が発生した8月6日(水),たまたまKSCで湿地見学をしていたのですが,しばらく雨が降っていなかったため,湿地はカラカラに乾燥していました

竹炭袋詰め,KSC全体会,そして湿地見学
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2014/08/ksc.html

 その日の13:40の流量はこの夏の最低値を記録していました。仮にこの値を1としましょう。この頃から雨が降り始めて水量が少しずつ増え,15:20には水量が4になりました。ところが突然そのあと急増しわずか30分後・・・

15:50には668!

 当時ものすごい雷雨だったことを覚えていますが,その時八竜湿地は「鉄砲水」の状態だったことがこの数値から読み取れます。
 
 7月18日に長野県南木曽町で発生した大規模な土石流,つい先日北アルプスで発生した増水した沢に流された遭難事故など,水の勢いが急に増した時の怖さはニュースでも充分伝わってくるのですが,規模が全く違うとはいえ,同じことがごく身近な所でも起こっていたのです。幸い機器の損傷などはありませんでしたが,大雨の怖さをこの数字からも知ることができました
 


2014年8月12日火曜日

名古屋SATOYAMA体験 (1)

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 すこし前のことになりますが,今月2日(土曜日)に金城で「名古屋SATOYAMA体験」というイベントが行われました。これは名古屋青年会議所主催によるこども向けの体験型学習のひとつで,一泊二日のスケジュールのうち,一日目のお昼間は金城の里山が会場となりました。KSCにとって,たくさんのこどもたちが来るイベントは初めてのことなので,これまで何度も打ち合わせをしてこの日を迎えました。
 
里山体験学習打ち合わせ
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2014/07/blog-post_29.html
 
 当日のイベントは13時からでしたが,9時には青年会議所の方が来られ,準備が始まりました。会場の設営,役割分担やスケジュールの確認,あるいは動線上に危険個所がないか,などなど。40名以上の子供さんが来るので充分な確認をします
 
 いよいよ13時。こどもたちが全員集まり,親御さん,会議所のみなさんが一同会する中,金城を代表して小野先生がごあいさつしました
 
 説明や注意点の連絡が終わると,さっそく最初のイベント「里山で秘密基地づくり」が始まりました。もうこの時点で親御さんとは別れ,こどもたちはグループで行動することになります。
里山に入って,そこにある材料で秘密基地をグループで協力しながら作っていきます。木の葉や木の枝など,あるものは自由に使ってよい,ということになっています

 実際にこどもたちはいろいろなものを見つけて「基地」を作っていました。
 
 1時間以上待って,こんどは私がみんなをさがしに行く番です。いわば鬼ごっこの「里山バージョン」という感じでしょうか (笑)

 あまり時間もないし,正直「各グループ似たり寄ったりでは?」なんて思っていたのですが(ごめんなさい・・・),それぞれ地形や近くにある木やササなど,うまく工夫・利用して基地を作っていて感心しました!!!

 中には下の写真のように,右の木橋の下に隠れていたグループも! なるほどね!
記念写真を撮っています (^^)v
 
 教室に戻ると第二弾の始まりです。竹細工作りの先生のご指導による竹とんぼづくりが開催されました。

 実は今回,KSCの学生さん2名もこのイベントに加わり,こどもたちと一緒に秘密基地をつくったり,竹とんぼを作りを手伝ったりしました。彼女たちもスタッフの一員としてがんばっています!
 
  楽しいひと時はあっという間に終わり,こどもたちは順次バスに乗って名東区の明徳公園に移動しました。明徳公園ではご飯を自分たちで炊いたり,虫を取ったりしながら,キャンプで「お泊り」をしたそうです。

  今回のイベントでは,森で自由に遊ぶという体験をこどもたちに提供できたのでは,と思っています。最近だとなかなかできそうでできない体験ではないでしょうか? このような経験を通して,森で遊ぶことの楽しさ,あるいは生きものの面白さ,不思議さ,多様さといったものの発見が芽生えてもらえたらいいですね!
 

名古屋SATOYAMA体験 (2)

 みなさまこんにちは、よしだです。
 
 名古屋青年会議所による「名古屋SATOYAMA体験」ですが、子供たちが金城で秘密基地づくりや竹とんぼづくりを楽しんだ翌週の9日(土曜日)にも、もう一つのイベントが、栄に近い東桜小学校で開催されました。
 
 それは「ナゴヤ キッズチャレンジフェスティバル2014」というもので、子供たちの職業体験がメインではあるのですが、名古屋の自然に触れる体験コーナーもあり、そこにKSCがブースを出展したのです
 
 とはいえこの日は、オープンキャンパスの日。基本的に教職員はすべてその対応に当たることになっています。またKSCとしても、オープンキャンパスでのブース展示もあります。
 
8/9 オープンキャンパスのようす
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2014/08/blog-post_11.html
 
 そこで、2012年に退官された炭焼きマイスターこと河村先生が東桜小学校のイベントを担当してくださることになり、KSCの学生さん3名とともに印葉図づくりを子供たちに体験してもらいました。
 
 「印葉図」と言ってもなかなかなじみのない方も多いと思いますが、釣った魚を魚拓にするのと同様、「植物の拓本」といえばお分かりでしょうか。葉や花などをそのまま保存するのはとても難しいことですが、この技法ならば保存が効き、江戸時代に採取された植物たちを現在の私たちが知ることすらできるのです
 
 それを今回、子供たちに体験してもらうことにしました。葉っぱは、会場の近くにあったものや、金城の森であらかじめ採取したものなどいろいろ。このような体験を通して、葉っぱにもいろいろな形ものがあるということがよく分かったのではないでしょうか
 
 雨の中、屋外のテントでの開催で、コンディションは必ずしも良いとは言えなかったようですが、それでも50名もの子供たちがやってきて体験したそうです。子供たちのいい思い出づくりにお役に立てたのではないかと思っています
 河村先生をはじめとするスタッフのみなさん、
おつかれさまでした!

(写真はいずれも河村先生に提供していただきました。ありがとうございました。)
 

2014年8月11日月曜日

オープンキャンパス

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日 (10日) は台風11号の通過で,東海地方は大荒れの天候となりましたが,その前日は大学のオープンキャンパスの日でした。台風が接近しつつあり,かなり怪しい空模様であったにもかかわらず,多くの方に来ていただきました。そして今回もKSCでは,ブースを出して金城の里山についての紹介を行いました

 朝からすでに雨で,部室からささっと荷物を運びこんで展示の準備に取り掛かります。
いそいそ・・・
 
 上に写っているまつやま先生とうすだ先生は(私もですが),薬学部でのオープンキャンパスの仕事が朝一番から入っているため,準備だけで退散し,あとの運営はきむらさんと学生さん2名にお任せしました
「竹炭を配布しておりま~す」

 今回竹炭はいつもよりも少なめですが,ブースに来てくださった方に配布することにしました。従っていつもよりも長めに配ることになりましたが,それでも正午過ぎには「完売」となりました
「大学の中にある炭焼き窯で作りました」

 「学内に炭焼き窯があって,タケも大学で取れたもの」とお話しすると,みなさん一様に驚かれるのですが,名古屋市内にあってこれだけの森があり,なおかつ炭焼き窯がある大学は他にありません。緑豊かな環境で,森をベースにした活動ができるのは,私たちの誇りと言っていいかもしれませんね
 

2014年8月7日木曜日

流しそうめん!

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日は夕方から大雨となり,金城にも何度か雷が落ちる荒れた天気となりましたが,それにしてもこのところ毎日暑いですね。それで,私のいる研究室の学生さんから「流しそうめんをしたい!」というリクエストが出てきました

 そうめんを流すだけならプラスチックの雨どいでも何でもできますが,やはりここは風流に竹を使いました。流しそうめん用に昨年切り出したモウソウチクが使われないままになっていたので,あらかじめ二つに割ってふしを取りました。場所は,水場があって,適当な斜度があって,人があまり来ないところ,ということでW10号館西側に。KSCでいつも竹炭の袋詰めをしている場所です。
金城の森を背景に流しそうめんです(笑)
 
薬学部の先生方も何人か集まりました

 日の光がじりじりと照りつけていましたが,水を流しながらのそうめんはとても涼しげでおいしくいただけました。金城の竹も学生さんを楽しませるのに役に立ったようで何よりです。

 このあと学生さんたちは,そのまま水遊びへ。楽しい夏の一日になったようです!
 

2014年8月6日水曜日

竹炭袋詰め,KSC全体会,そして湿地見学

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 きょう6日は竹炭袋詰め,KSC全体会,そして湿地見学と,KSCのイベントが目白押しな(?)一日でした。前期の授業が終わって学生さんが夏休みに入っているため,まとめて用事を済ませよう,ということでこのような設定になりました。
 
 まずは9:30から竹炭の袋詰めです。いつも通りW10号館の軒下に集まって作業開始です。炭は6月28日(土)に焼いたもの。生焼けの炭を仕分けて炭を割る人,炭の重さをはかる人,炭を袋に入れる人に分かれて要領よく進んでいきます。今回はおよそ200袋作ることができました
 
第31回炭焼き
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2014/06/31.html
 
 
 
 ちょっと休憩して,今度はW9号館のラウンジでKSCの全体会です。今後の予定について話をしたのですが,あまりに暑かったので,朴先生がアイスをおごってくださいました。ありがとうございます!
つめたくておいしい~
 
 昼食をはさんで午後は湿地見学です。水分を持って,虫よけスプレーでしっかり蚊を防御して行きました。花の少ない時期でしたが,東海丘陵要素植物群とよばれる希少な植物群を初めて見る学生さんにとって,この湿地は驚きに満ちたものだったようです
さながら写真撮影大会のようです (^_^)
 
 湿地見学をしているうちにみるみる空が暗くなってきたので,1時間ほどで切り上げてしまいましたが,それから1時間くらい後には大粒の雨が降り出し,あちこちで雷が落ちるようになりました。夏の天気の急変は怖いですね。

 さて,今週土曜日はオープンキャンパス。今日詰めた竹炭を来場者のみなさんにお配りする予定です。

 今回もたくさんの方に金城の里山について知っていただけたらと思っています。