2017年3月23日木曜日

「まめなしのお花見・観察会」の準備

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 今日,来たる4月2日に行われる「まめなしのお花見&観察会」http://www.city.nagoya.jp/moriyama/page/0000090860.html
の準備をしてきました。

 午前9時30分,スタッフが大学のすぐ東隣の壇ノ浦公園に集合です。地元ボランティアのみなさんや,守山土木事務所,守山区役所の方などが集まり,会場となる蛭池に移動しました。

 当日の観察会で,私は水質の解説をすることにしているので,蛭池を管理する守山土木事務所さんのご厚意で,水が採りやすいよう塩ビ管を設置していただけることになりました(ありがとうございます!)。水が湧いていそうな場所を少し掘って,塩ビ管を水平に差し込む作業をしていただきました。 
 
 穴に塩ビ管を差し込み,砂利で埋めたところです。ここからこんこんと(?)水が出てくるといいですね。
 
 当日は名市大の岡村先生 (写真右) が,ご専門である土壌の解説をされることになっていて,先生自ら土壌の試験を試されていました。
 
 地元の「蛭池のマメナシを守る会」のみなさんは,池の周囲に生育しているマメナシに木製の「樹名板」を取り付ける作業をされていました。
 
 お花見まであと10日ですが,マメナシはまだ花が咲く様子はなく,ゆっくりと芽吹きを始めたところでした。昨年つけた実がところどころ残っていて,それを食べようとヒヨドリが来ていました。
 
 一方,池の周囲では一足早く河津桜が満開を迎えていてとてもきれいでした。花のピンク色が印象的ですね!
 
 というわけで4月2日(日曜日),ぜひみなさま「まめなしのお花見・観察会」にお越しください。事前申し込み不要・無料です。おまちしております!
 

2017年3月17日金曜日

東部丘陵生態系ネットワーク協議会総会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 本日 (3月17日) 名古屋大学で行われた第8回東部丘陵生態系ネットワーク協議会総会に小野先生とともに出席してきました。

 東部丘陵生態系ネットワーク協議会は,名古屋市から尾張旭市,瀬戸市などにまたがる東部丘陵地域にある大学を中心に,企業や自治体なども参加して,生態系のつながりづくりを目指す協議会で,今回は一年間の協議会としての事業を総括し,来年度の事業について話し合う総会でした。
 
 それだけでなく今回は,参加者からの話題提供として,2題講演があり,その一つが小野先生による「東海地方の湿地を育む環境-湿地保全に関して思うこと」というものでした。

 この中で小野先生は,今ある湿地を守るのはもちろんのこと,埋土種子を活用した新たな湿地の創出も考えるべきではないか,との提言をされました。森林化が進むと湿地は消滅することになってしまうので,緑づくりは確かに必要ではあるけれど,そうではない場所も環境の中にあってもよいのではないか,とのことでした。
 
 生物の多様性を考えた時,その基盤には環境に多様性があることが必要です。それを踏まえた先生の発表に対し,出席されたほかの大学の先生からも支持する意見が出されました。
 
 小野先生はご退職に伴って,この協議会からも「卒業」されることになります。このように小野先生は学内だけでなく学外でもご活躍されてきました。これまで本当におつかれさまでした。
 

2017年3月14日火曜日

「まめなしのある風景 守山」事業報告会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日のことになりますが,3月12日(日曜日) に「まめなしのある風景 守山」事業の今年度の報告会が,地元の大森北コミュニティーセンターで行われました。

 この事業については,私も参加しているためこれまで何度か紹介してきましたが,絶滅危惧種であるマメナシの最大の生育地が守山区であることから,住民・自治体・大学が連携してマメナシを守っていこうという取り組みです。昨年始まったばかりのものですが,一年を総括する意味で報告会が開かれました。

 今回はマメナシを卒論の研究テーマの対象にした名古屋工業大学の学生さん,この事業の設立・運営で主導的役割をした守山土木事務所の方,今年度結成された「蛭池のマメナシを守る会」の方,地元でマメナシの紹介活動をされている方の4名から,それぞれ成果や活動状況について発表がありました
 
 広くはない会場でしたが,事業の関係者はもちろんのこと,地元の方々も参加され,ぎっしりと席が埋まる状態でした。発表の後はまとめて質問の時間となったのですが,熱心な意見交換がなされ,時間はあっという間に過ぎてしまいました。

 この事業の進捗とともに地元でマメナシの認知度が上がり,マメナシが守られると同時に,地元で愛される植物になっていったらと,私もメンバーの一人として思っているところです。

 なお,この事業が主催となって,マメナシのお花見・観察会が来たる4月2日に開催されます。私も簡単な実験を通して,マメナシが生育する環境について紹介します。ぜひみなさまお越しください。このイベントについての詳しいことは,下記の守山区のホームページをご覧ください。
 http://www.city.nagoya.jp/moriyama/page/0000090860.html
 

2017年3月10日金曜日

ハシボソガラス・ハシブトガラス

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日,設置している流量測定装置からデータを回収するため,八竜湿地に行ってきました。装置に異常はなく,データも支障なく回収できました。
こんな感じで,パソコンをつないで
データを回収します
 
 その帰り,体育館・クラブハウスの近くにカラスが2羽いるのを見つけました。一瞬「なぁんだ,カラスか~」と思ったのですが,よく見るとすごい?ことになっています。

 下の写真の2羽のカラス,とても仲が良さそうにえさを探しているのですが・・・実は別種なのです。左(手前)がハシボソガラス,右(奥)がハシブトガラスです。名前はくちばし太さの違いでつけられているものの,パッと見て識別しやすいのはおでこの形です。「ハシブト」は丸いおでこですね。違いがわかるでしょうか。
仲良しです(笑)

 私はずっと,別種であるハシボソガラスとハシブトガラスが競合せず生息しているのか,不思議に思っているのですが,まさにこの写真の通り,争いをしたりしないのですよ。なぜでしょうね?
 
 ちなみに「カラス」というのは,この2種をまとめた総称で,「カラス」という種名の鳥は存在しません。「カーカー」と高い声で鳴くのがハシブト,「ガーガー」と太い声で鳴くのがハシボソ。名前と声の高さが逆なのもおもしろいですね。
  

2017年3月1日水曜日

八竜湿地で水質調査

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 先日,大学の隣にある八竜湿地で水質調査を行いました。これは,名古屋市の環境科学調査センターとの共同で年に4回,定期的に行っているものです。

 調査の前日は少し雨が降ったものの,当日は天気がよく風も治まって穏やかな採水日和?(笑)となりました。環境科学調査センターの研究員の方2名とともに湿地の内部に入っていきます。

 名古屋では冬は晴れる日の方がずっと多く,雨が降っても基本的に大雨にはならないので,湿地はどうしても乾燥しがちになります。地下水9ヶ所,表面水10ヶ所の全部で19ヶ所の採水地点を順に回っていきますが,他の季節に比べるとやはり水が少ない印象でした。中にはまったく水がなくて,採水できない地点もありました。
カラカラです・・・
 
ここは水がありますが,
普段よりも少ないですね
  
 ところで,地下水も採取すると書きましたが,どうやって水を取るのかと言うと,プラスチック製の長さ1 m の管を埋めておいて,その中にたまった水を,注射筒を取り付けた長いホースで吸い上げるのです。 
真ん中が地下水のたまっている
プラスチック管です
 
 こうやって書くと簡単そうですが,ホースに入るのはせいぜい50 ml くらい。分析には試料が600 ml くらい必要ですから,充分な量を得るためにかなりの回数を繰り返さないといけません。しかも,もたもたしているとホースに空気が入って中の水が抜けてしまうのです (>_<)
 
 このようにして得た水は複数の手法を使って,いくつもの項目について濃度の数値を出していきます。採水して分析するまで,決して楽ではないですが,大事なデータを出しているという自負を持って調査にあたっています。