2017年1月29日日曜日

あいち生態系ネットワークフォーラム

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 1月28日(土曜日),栄の愛知芸術文化センターで開催された「あいち生態系ネットワークフォーラム」に出席しました。
 
 このフォーラムは,愛知県内に順次設立された生態系ネットワーク協議会が,昨年愛知県内を網羅することになったことから,それを記念して開催されたものです。
 
 ちなみに私たち金城学院大学が加盟している「東部丘陵生態系ネットワーク協議会」は,2011年3月の設立で,「知多半島生態系ネットワーク協議会」に続いて2番目に誕生しています。
 
 今回のフォーラムでは協議会メンバーによるポスター発表,基調講演,パネルディスカッションという内容でした。金城も「金城学院大学の生態系とその保全活動」と題して発表を行いました。
中央のポスターがそれです
 
 ポスターセッションは12時から13時までで,たくさんの方がお見えになりました。中には「私,金城の卒業生なんです」という方や,「娘がいま金城に在学しています」という方も。嬉しいですね!
 
 といろいろな方とお話ししていたら,なんと愛知県の大村知事が来られました。びっくりです!\(◎o◎)/! 短い時間でしたが,金城の生態系保全の取り組みについて説明いたしました。
大村知事(左)を前に緊張してます・・・ 

  ポスターセッションの後は大きな会場で講演です。まずは大村知事によるごあいさつ。2010年の第10回生物多様性条約締約国会議,いわゆるCOP10で採択された「愛知目標」を達成する上でも,愛知県が生物多様性保全の先進地として果たす役割が大きいことを強調されていました。
 
 続いて東京都市大学の涌井史郎先生による基調講演です。涌井先生はこの中で,「人と自然が共生した里山社会がこれからの社会の基本」とお話しされ,金城が里山を持つ大学として,責任がいかに大きいか改めて認識した次第です。

 さらにパネルディスカッションとなり,9つの協議会の代表が会場からの活発な質問を受け,フォーラムが終了しました。
 
 さまざまな環境問題が世界の懸念となる中で,これから「生物多様性を意識しない生き方」というのはあり得なくなるでしょう。それをどう伝え,広めていくのか,大学としてできることを考えていきたいと思います
 
* 3枚目と5枚目の写真は,八竜緑地維持管理検討会でお世話になった小林様の写真を使わせていただきました。ありがとうございました。
  

2017年1月23日月曜日

金城にタヌキ現る!

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 金城には森があってたくさんの生きものがいて・・・ということは,このブログをご覧のみなさんはよくご存知だと思いますが,野生の哺乳類を見ることはまずありません。夜行性のものが多いことや,警戒心が強いことなどがその原因でしょう。
 
 ところが・・・
 
 先週月曜日(1/16) のちょうどお昼時,つまり休み時間で学生さんがたくさん行き来している時に,とても目に付くところにタヌキが現れたのです!
!\(◎o◎)/!
 
 わたくしはちょうど八竜湿地でボランティアの方や名古屋市の方と一緒に芋煮会 (笑) をしていて,この現場に居合わせることができませんでしたが,金城に戻った時に薬学部の先生からこの「事件」を知らされたのでした。
 
 その場所は,W1棟・W2棟から本部棟に向かう橋のたもとの斜面だったそうで,一匹のタヌキが人を気にする様子もなくしばらくいて,気がついた学生さんや防災センターの方が写真を撮っていたとのことでした。
 
 じつは私も以前タヌキを目撃したことがありましたが,一瞬だけですぐに見失ってしまいました。なので「人前でじっとしている」というのがにわかには信じられませんでした。
 
 それで後日,防災センターを訪ね,写真を見せていただきました。あらら,ほんとに人を気にしている様子が全くありません!
毛づくろいをしているようです
 
歩いていますが,
逃げるような感じがありません
 
 職員さんが言うには,幼稚園周辺では昼間でも時々タヌキが出没しているとのこと。私が知らなかっただけで,タヌキは金城の森の立派な?住人になっていたようです。
 
 ところでこのタヌキ,かわいらしいですが,でもちょっと気がかりなことがあります。2枚目の写真をよくご覧ください。しっぽに毛がないのがお分かりでしょうか。これは「疥癬 (かいせん)」といって,ダニによる病気です。感染してかゆくなり,かきむしって毛がなくなってしまったのです。

 小野先生の自動カメラにも疥癬症のキツネが写ったりするそうですから,野生動物に広く感染しているようです。これが都市部に生息する動物に特異的な現象だとしたら,動物たちにとって都市部は決して住み心地のいい場所ではない,ということになりますね。

 最後になりましたが,写真を提供してくださった防災センターの職員さんに感謝します。ありがとうございました。
 

2017年1月19日木曜日

小野先生最終講義

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日 (1/18, 水曜日) KSC を長年牽引してくださった小野先生がこの3月をもってご退職されるにあたって,最終講義が行われました。私は他大学で授業があったため途中から出席したのですが,たくさんの人が講義を聞きに来ていました。KSCのメンバーはもちろん,共同研究でお世話になっている名工大の増田先生や,守山自然ふれあいスクール事業でお世話になっている名市大の岡村先生を始めとする事業のメンバーの方々も来てくださいました。

 最終講義のタイトルは「虫と47年,金城と39年」。いまでこそ小野先生は「里山の先生」のイメージが強いですが,もともと昆虫を専門に研究をされていたのでした。その時のエピソードを交えながら楽しい話が続きました。
 虫の研究を長年されていた小野先生らしく,「すぐに役に立つことだけでなく,役に立ちそうにないことであっても,知的好奇心を持たせ,経験できるような大学であってほしい」というメッセージが心に残りました。

 大きな拍手で最終講義が終わり,みなさんで記念撮影となりました。私たちKSCも写真を撮っていただきました。 

 続いてN1棟1階の食堂「リリーノース」で祝賀会が開催されました。おいしそうなお料理を前に,まずは乾杯です。

 歓談の後何人かの先生にお話をいただくことになり,学外からお越しの先生の代表として,名市大の岡村先生にお話ししていただきました。先生のいつもの朗らかなお話しぶりで場が盛り上がりました (ありがとうございました!)。ちなみに岡村先生もこの3月で名市大をご退職で,今月27日には最終講義が開催されます。

 多くの方が参加され,楽しい会となりましたが,終わり際には花束贈呈がありました。小野先生と同じ国際情報学部所属であり,KSCメンバーでもある岩崎先生からコメントと花束が贈られました

 この3月で小野先生がご退職となるのはずっと前から決まっていたことですが,いよいよこの日が来てしまったのか・・・とさみしく思います。しかし,ご退職されてもKSCのメンバーであることに変わりはないですし,また先生ご自身も湿地などの研究でしばらくは大学に時々来られるとのことですので,引き続きご指導いただきたいと思っています。
 

2017年1月17日火曜日

雪の八竜湿地と芋煮会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 この週末は名古屋でも雪が積もりました。ちょうどセンター試験と重なってしまい,受験生のみなさんは大変だったことでしょう。

 さて週明けの月曜日,私は流量測定装置の積雪後の状況確認のために八竜湿地に行ってきました。学内の森には,西側だけ雪が付着した木がありました。西寄りの風が吹き付けたからなのでしょうか。
 
 八竜湿地の流量測定装置自体は何ら問題はなかったので,ちょっと湿地の観察をしてきました。真っ白というわけではなく,雪がすでにかなり溶けた後でした。
 
 ただ,木道の一部はご覧の通り。木道は積雪や凍結でとても滑りやすくなるので注意が必要です!
 
 ちょうど観察をしていた頃,日ごろ八竜湿地の保全作業をされている「水源の森と八竜湿地を守る会」や八竜緑地の管理をされている名古屋市守山土木事務所のみなさんとすれ違い「これから芋煮会をするのでどうぞ!」とお誘いを受けました。
 作業も何もしていなくて,ただ様子を見に来ただけなので申し訳ないと思いつつも,お言葉に甘えることにしました(笑)。少し風があったものの,日が射す中で食事をするのは楽しいですね。 

 いただいたおにぎりと芋煮です。どちらもおいしかったです! ありがとうございました!
 ちなみに,おにぎりはコンビニのものの2倍サイズ,芋煮はどんぶりサイズ。でもたくさん用意されていたので余ってしまい,土木事務所のみなさんと私は「若いから」(苦笑) という理由でおにぎり3個,芋煮は5杯もいただき,もうお腹いっぱいに!!!(笑) 
 
 たまたま通りがかっただけなのに,たくさんいただいて申し訳ありませんでした。でも湿地を守るということはいろいろな人が協力して初めてできることであり,お互い風通しの良い関係というのはこういうことを通して維持されるのかもしれませんね。
 

2017年1月10日火曜日

金華山に登ってきました

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 成人の日を含む三連休の土曜日,私は一人で岐阜の金華山に登ってきました。金華山は織田信長がいた岐阜城があることでもよく知られていますね。ここは金城からも見ることができ,W5号館からはこんな感じです。信仰の山である能郷白山を背景に,歴史の舞台になった金華山,小牧山が重なって見えます。
 
 金華山に山登り,と言ってもすぐに登れてしまう(笑)ので,岐阜駅からふもとまで街中を歩いていきました。近づくとやはりボリュームがありますね。冬でも緑が濃く,常緑広葉樹の森になっていることがわかります
 
 私は最も険しい「馬の背ルート」で頂上を目指しました。固い岩盤でできた急な登山道を一気に登っていく感じでした。1月なのに汗が噴き出てしまいます (^_^; 周囲の森はアラカシやサカキ,ネジキなど,金城の里山でもおなじみの木々で構成されているので親しみやすいです。
 
 約30分で頂上に着きました。歩かなくてもロープウェイがあるので,頂上はたくさんの人でにぎわっていました。
 天守に上がるとそこは絶景で,北アルプス・中央アルプス・南アルプスの「日本の屋根」を見渡すことができました!\(◎o◎)/! 北アルプスは名峰・槍ヶ岳が見えるんですよ! もう大感激です!
北アルプスの笠ヶ岳(左端のとんがり),
槍・穂高連峰(中央),乗鞍岳(右端)・・・
すばらしいの一言に尽きます!
 
 濃尾平野も,かすみながらも海まで見渡せました。ここから小牧山(写真中央やや上)方面に目を凝らしてみましたが,さすがに金城のキャンパスまでは判定できませんでした(残念)。
小牧山ははっきりわかるんですけどね・・・
 
 その反対方向には,金城からも見える能郷白山がそびえています。こうして見ると,ここが濃尾平野の北端であることがわかりますね。
 
 のんびり景色を楽しんでから下山し,ふもとの岐阜公園内にある「名和昆虫博物館」を見学しました。昆虫だけの博物館というだけでも珍しいのですが,歴史のある博物館でもあります。
 
 館内はチョウや甲虫(カブトムシなど)を中心に展示がされていますが,一角には「ギフチョウ」のコーナーが設けられています

 ギフチョウはこの博物館の始祖となる名和昆虫研究所の初代所長さんによって岐阜県内で発見,命名されたもの。金城も一員となっている「東部丘陵生態系ネットワーク協議会」のコンセプトも「ギフチョウやトンボの舞うまちづくり」ですから,この地方の象徴種と言えますね。
 
 便利な街中からすぐ山登りができ,すてきな景色を堪能でき,博物館も楽しめる・・・すばらしいですね! 今回は私一人だけでしたが,KSCメンバーでまた来たいと思います。
 

2017年1月6日金曜日

あけましておめでとうございます

 みなさまあけましておめでとうございます。
 本年もKSCの里山ブログをよろしくお願いします。
 
 ことし1回目の投稿は,さっそく野良仕事のご報告です(笑)。天気がよく風が収まった今日の午後,八竜湿地に行って流量測定装置からのデータ回収と泥さらいをしてきました。湿地までの道のりは冬枯れの見通しの良い森になっていて,空の青さもあって気持ちよく感じられます。
 
 湿地に入って流量測定装置を見ると,枯れ葉を避けるための網にたくさんの枯れ葉が積もっていました。年末の12月20日に除去してから2週間ちょっとですが,風に乗ってやってきたのでしょう。
 
 まずはこの枯れ葉を取り除き,網を外して水底にたまった泥をシャベルでかき出します。正月早々泥くさい仕事をしています(笑)。装置は10分に一度水位データを自動で記録しているので,

泥をかき出す→作業を休止して水位を落ち着かせる→データ記録
→泥をかき出す

の10分サイクルでの作業の繰り返しです。

 「泥くさい仕事」と書きましたが,もちろん嫌々やっているわけではありません。クリアで納得のいくデータを取るためには,こうした地道なメンテナンスがあってこそ。それをさぼって研究はできません。
 
 作業中も周りで鳥の鳴き声があちこちから聞こえ,さらにはキツツキのコゲラが幹をつつく音も耳に届き,自然に囲まれていることを実感しました。そしてこんな鳥も。青い羽根が特徴のルリビタキのオスです。新年早々ルリビタキに会えるなんて,なんだか幸せです。