2015年9月28日月曜日

秋の長雨のあとで

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今年は8月下旬以降長雨がいつもよりも続き,台風が直撃したりと,この地域で大きな災害こそなかったものの雨が多かった印象があります。

 私の研究で,雨の量と直接関係してくるのが湿地の水量測定です。先週のある晴れた日,久しぶりに八竜湿地に設けてある流量測定装置の確認に行きました。装置の異常がないかのチェックのほか,装置に保存されているデータの回収のためのパソコンや,さらには装置付近の泥さらいのための大きなシャベルも持って湿地へ向かいます(大荷物です!)。

 現場に行ってみると,台風による風の影響でしょうか,装置のすぐ近くで傾いていたアカマツが倒れていました

 写真を見るとぎりぎりセーフ,冷や汗が出そうな感じですが,
実は想定内
だったりします。


 このマツには,装置設置当時「ヒトクチタケ」というきのこがついていました。ヒトクチタケは枯れかけのマツに発生する,ということをトヨタの森のスタッフの方から教えていただいていたので(ありがとうございます!),早々に枯れることはわかっていました。

 また,枯れればいつかは倒れるはずですが,他の木の位置関係から,倒れても装置を壊すことはない,と予想もしていました。なので,この倒れ方はある意味で予定通りなのです (^_^;)
 

 一方,装置自体には枯れ枝が何本も引っかかっていました。水量が多くなった後はどうしてもこうなってしまうので,その都度除去するしかありません。

 装置上流側の泥さらいをしていたら,大きなトンボが行ったり来たりし始めました。オニヤンマです。どうやらメスを数匹のオスが追っかけていたようで,やがて装置の下流側で産卵行動が見られました。

 さて,装置に記録された8月下旬からのデータを見ると,9月9日(水)の夜中から急上昇し,午前8時頃に水位が瞬間的に最大値を示し,その後水位は9月17日の降雨までゆっくりと下がっていることがわかりました。

 9月9日は台風18号が接近し,午前10時頃知多半島に上陸,そのまま愛知県内を北上していきました。この台風に伴う大雨で,翌日茨城県常総市で,さらにその翌日には宮城県大崎市でそれぞれ堤防が決壊し,大きな被害をもたらしたことは記憶に新しいところです。

 このように台風が最接近した時ではなく,それより前の9日の朝方にこの周辺で強い降雨があって,湿地の水位は急上昇していたのです。台風本体から離れたところで大災害が発生していることからもわかるように,雨の強さは台風上陸の場所・時間と必ずしも一致しないことを,湿地のデータからも改めて認識させられました。
 
  

2015年9月23日水曜日

八竜湿地研究会の研究集会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先週土曜日,八竜湿地のボーリング調査を行ってきた八竜湿地研究会の研究集会が,金城で行われました。

 今回はまず,濃尾地盤研究所の内園立男さんによる,濃尾平野のボーリング・コアの電気伝導度およびpHに基づく堆積環境と地盤特性」というタイトルでのご講演がありました。私は各地の湿地で湧水の水質調査を行っていますが,その水質は地質による影響を受けているはずなので,私の研究に関わる内容のご講演でした。
 
 昼食をはさんで午後からは,ボーリング調査で得られた3本の土壌コアのうち,手を付けていなかった最後の1本の処理を行いました。電動のこぎりで塩ビ管を2つに割ると・・・
 
 長さ約 170 cm のきれいな層状の土壌コアサンプルが出てきました!
 
 この2本のうち片方は,それぞれの層の色,深さ,性状などを記録し,もう片方は私が理化学分析するため,土壌を 1 cm ごとに分けて試料採取を行いました。こちらは学生さんや卒業生までもお手伝いをしてくれて,大変助かりました (^o^)

 今回得られたサンプルは,深さが偶数のものだけ(つまり 1 cm おきに)当面分析することにしていますが,170 cm の深さがあるので,それでも結構な数になります。一つのサンプルごとに,少なくとも乾燥・粉砕・抽出・ろ過・分析という流れで実験をしなければなりませんが,サンプルによっては,さらに希釈などの操作も必要になります。しばらくはこの実験だけでかなり忙しくなりそうです
 
 

2015年9月21日月曜日

滝の水・板山高根湿地で調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先週のことになりますが,森先生を中心に行われている珪藻分析のためのサンプリングを,緑区の滝の水湿地,阿久比町の板山高根湿地で行いました。

 まずは滝の水湿地
 ここは緑地の中に小さな池があり,その池の周囲の水際が湿地状になっています。湿地への立ち入りは禁止されていますが,管理をしている名古屋市天白土木事務所を通して,保全作業をされている地元ボランティアの方から今回特別に許可をいただき,珪藻分析用の泥と水質分析用の水を採取しました。滝の水湿地は名古屋市内に残る数少ない湿地の一つとして知られているものの,調査をするのは今回が初めて。

 湿地に生育する植物への影響を最小限にするため,まずは森先生が泥を取りに行き,交代で私が,踏み跡を増やさないように水を取りに行きました。
泥を採取する森先生

 少し前に下見に来たときは水が少なく枯れ気味だったのですが,今回は池の上流部からの湧水由来の流れもあり,湧水付近での採取も行いました。
サンプルの受け渡し
贈呈式みたいです(笑)

 現場測定で,ここは酸性貧栄養の水が供給されていることがわかり,小面積ながらも水質は良好のようでした。

 一方,別の日に行った阿久比町の板山高根湿地では,阿久比町役場の方や保全ボランティアの方に同行していただき,採取をさせていただきました。この湿地での調査はこれで3回目となります。

 この時は森先生のご都合が悪くて来られませんでしたが,珪藻分析用の泥を3か所で,水質分析用の水を12か所で採取しました。開始早々雨が降ってきてちょっと大変でした。

 天候は思わしくなかったものの,シラタマホシクサが一面に咲き誇ってすばらしい景色となっていました。満天の星空のよう,という表現がぴったりです。

 私は今後,装置を使って水質の詳細な分析を行っていきます
 (がんばります!)
 
 

2015年9月16日水曜日

新湿地への”侵略者”

 みなさまこんにちは,よしだです。

 「新湿地」は,小野先生,名工大の増田先生,私の共同で研究を行っている学内の湿地再生実験の場所ですが,先日私は定期的な水質調査のため,サンプリングを行いました。
充分な水と光があって
湿地らしい雰囲気です
 
 もちろん水を採取しておしまい,ではなく,そこにいる生きものの観察をしたり,何か異変がないか見て回るのですが,この時,水面から何やら視線を感じました
!!!

 水面から顔を出していたのは,体長 10 cm もない小さなカメ。
 かわいらしいカメがいて「!」なら平和でいいのですが,ここでの「!」は,困惑の感情を伴ったものでした。

「おいおい,アカミミかよ!」

 アカミミ = ミシシッピアカミミガメ。よくお祭りの屋台でミドリガメの名で売っているカメです。しかしこれは,特定外来生物への指定が検討されている,かなり困った外来種

 ミシシッピアカミミガメが移入されることによって,在来のカメとの競争が起きて在来カメを駆逐したり,個体数が増えて水生生物を食べ尽くしたりといったことが起きています。今回のタイトルにある「侵略者」という表現も伊達ではありません。ちなみに英語で外来種は

Alien species

といいます。エイリアンですよ!(◎o◎)

 エイリアンというと,いかにも悪者!って感じですが,本当の悪者は身勝手な人間です。

 森林だったこの場所に,水生生物のミシシッピアカミミガメがもともといたとは考えられないため,湿地になって以降,おそらく誰かが放したのでしょう。そう,なぜ困るかって,

人間がむやみに放つから

なんですよ。

 このミシシッピアカミミガメを放っておくわけにいかないので捕獲し,小野先生と相談して処分しましたが,このカメ自体が悪いわけではないので,やや複雑な心境です。
 
 

2015年9月14日月曜日

カメラが新しくなりました(その2)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 前回のブログでカメラを購入した話を書きましたが,今回はその余談を。

 私の歴代のデジカメを並べて撮ってみました。左が2009年導入の初代,中央が2012年導入の二代目。ここまでがコンパクトデジカメで,右が三代目となる今回導入した一眼レフカメラ。
メーカーの販売戦略の通り,いかにも順当に
大型化・高価格化の手順を踏んでいますな
(私はN社の回し者ではありません・・・苦笑)

 それはさておき,カメラが高性能ならいい写真が撮れる,となんとなく思われがちですが,必ずしもそうではない,という話をしましょう。

 下にリンクをつけたブログに(少し探すのが大変ですが)私の写真があります。

NHK長野放送局 撮るしん 「おひさま撮るしん」
http://www.nhk.or.jp/shinshu-blog/600/

これの第95回,2011年7月22日の「白馬大雪渓」。
(2ページ目の上から13番目)。


 これは,長野放送局のブログに投稿された写真の中から,当時放送されていた朝の連続テレビドラマ「おひさま」の,信州の美しい景色を日替わりで紹介するエンディングのコーナーに採用された写真を集めたもの。
(投稿した元記事はこちら

 はい,全国放送で使っていただきました (^o^)/
 たった5秒間ですが(笑)

 で,今日の本題。

 この写真は,北アルプスの白馬岳(しろうまだけ)を登っているときに撮ったものですが,
 
この景色に出会った時「はっ!」とした
 
ことを今でも覚えています。まさに偶然との出会い。でも,この写真を撮ったのは,左のちっちゃなデジカメ。今なら一万円もしないような低価格カメラです

 もちろん記録媒体としてのカメラ・フィルムの性能は重要ですし,景色をどう切り取るか,構図・絞り・シャッタースピードなどについては知識と経験が必要でしょうが,いい写真を残すためには,「きれい!」「かわいい!」「すごい!」などなど,

まずは「はっ!」とするような出会いが大切

だと思うのですよ。

 金城の中でも,可憐な花が咲いていたり,不思議な色のきのこが生えていたり,美しい鳥のさえずりが聞こえたり・・・と,特に自然はたくさんの「はっ!」とする機会を提供してくれます。でもそれが「出会い」となるためには,普段からそこに目を向けていなければ成り立ちません。

 いまはデジカメ,あるいはスマホで,無限のように写真が撮れる時代です。フィルムカメラのようにコマ数を気にする必要はありません。なのでまずは機会を逃さないようどんどん撮ることです。
実験室の窓から
日常にも素敵なことはたくさんあります

 あとは撮った写真を振り返って,どうしたらもっときれいに撮れるか考える習慣を持てば,写真の質はかなり上がるはずです。カメラそのものの性能よりも,感性の方がいい写真を残してくれると,私は思います。
  
  

2015年9月12日土曜日

カメラが新しくなりました

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 このブログでは,なるべく写真を多く使って,自然の姿,あるいは活動の様子をお伝えしようと心がけていますが,そのために必要なのがカメラ。

 これまで使っていたのは,少し大きめのコンパクトデジカメ。3年間でおよそ2万6千枚撮影と使用頻度が割と高かっただけでなく,野外作業では雨に当たったり,岩にぶつけたり (*_*) ということも。ちょっとばかり酷使していました。

 そのため最近は,フリーズする,写真の番号が付け方がおかしい,もともと早くはなかった起動やピント合わせがさらに遅い,などなど,3年で早くも経年劣化が目立つようになってしました。

 それで最近カメラを新規購入しました。入門機クラスの一眼レフカメラです。初めて一眼レフカメラを使う人を対象にした,小型軽量の廉価版といえばいいでしょうか。

 フィルムカメラでは,小学5年生の時に初めて買ったのがペンタックスME,その後ニコマートFTN (スーパーマーケットじゃありません!)と,最初から一眼レフ機を使っていたので,むしろこれでようやく違和感なく使えるようになった感じがします。正直,いまだに背面のモニターを見ながらの撮影というのがあまり得意でないのです(汗)。

 それにしても
 小学生で一眼とは,おませなガキンチョですね・・・(苦笑)

 それはともかく,入門機といえども写真の画質は,これまで使ってきたデジカメより断然向上しています。学内で見つけた,土から出てきたばかりのきのこを撮ってみました。まるでむきたてのゆで卵のようです\(◎o◎)/!。
【注】 種の同定ができませんが,
毒キノコの可能性が非常に高いので,
決して食べないでください

 ただ,このブログでは小さなサイズの写真しか掲載していないため,これまでと画質の違いまでは感じにくいかもしれません。でも使い勝手が良くなったことで,ブログの話題に広がりができるかな,と期待しています。
  
  

2015年9月9日水曜日

流しそうめんで,流し〇〇

 みなさまこんにちは,よしだです。

 この夏は何回か流しそうめんをしたのですが,

2015年8月7日「本格! 竹で流しそうめん (第1回) 」
2015年9月7日「KSCで流しそうめん」

 私はその都度そうめん以外のものを流してみては?と話してきました。流れるそうめんをすくって食べるだけでももちろん面白いのですが,ワンパターンを避ける,箸休めになるなどなど,違うものを流すとより盛り上がるのです!

 というわけでこの夏の,”こんなもの流してみました” を紹介します。
そうめん(右上)よりも,充実の
サイドメニューに目が行ってしまいます
(笑)

 定番は甘いものでしょうか。途中で流してつゆでしょっぱくなった口の中をさっぱりさせるもよし,最後に流してデザートとするもよしです。前回のブログで紹介したように,生のぶどうを流すちょっとリッチな (^_^) ケースもありましたが,お手軽なのが缶詰
みかんとか

黄桃とか

さくらんぼとか
(これこそ流し撮りですね!)
意味の分からない人,ごめんなさい

 下の写真のように,プチトマトもころころ流れておもしろいです。野菜では,きゅうりの千切りとか,わかめ(!)という例も。

 一番手が込んでいたのは白玉だんご! お昼の流しそうめんに向けて,午前中学生さんたちが手作りしたものです(*^_^*)

 普段「おかず」となる物では・・・
お豆腐とか
上手に取らないとだんだん崩れて大変なことに・・・(苦笑)

ウィンナーとか

カニかまぼことか
 
  もはやおいしさ云々ではなく,すべては流しておもしろいかどうかだけになりつつありますが(^_^;) ,この写真をご覧ください。手前で流れているのはマシュマロ,奥で箸でつままれたのはぬれせんべい!

  マシュマロは「どんぶらこ,どんぶらこ」という表現がぴったりな感じ。意外に水を吸わないんですね。めんつゆにつけて食べると「杏仁豆腐のような味」とのことでしたが,さて・・・。

 一方のぬれせんべい,どうせ水に浸るんだからと思いついたそうです(笑)。こちらはさらに水を含んでやわらかくなり,みたらし団子のような感じになりました。

ところが!

 写真にはないですが,別の学生さんが持ってきたのは,おつまみのするめそうめんとビーフジャーキー。流しそうめんのことを考えてお店に行ったら,目に留まったのが,いかの燻製を細く裂いたその名も「するめそうめん」。そうめんつながりでこれを手に取り,さらにビーフジャーキーも,とのこと。

乾きものを水で流してしまう
前衛的すぎる発想

がすごいです\(◎o◎)/!

 ところで下の写真。何が流れているかさっぱりわからないと思いますが,いろいろなものの中で一番取るのに苦労している(難易度が高かった)光景です。それは・・・
わらびもち!
 透明でよく見えないし,取ろうとしてもぷよぷよでうまくつまめないし・・・で,むっちゃウケてました(笑)。盛り上がること間違いなしです!

 どうでしょう? みなさんの「これ流したら面白いかも」の発想の豊かさがいいですね。今年はもうシーズン終了となってしまいましたが,来シーズンの参考にしてもらえたらうれしいです (^o^)/
  
 

2015年9月7日月曜日

KSCで流しそうめん

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日KSCでは,「夏のお楽しみ」として流しそうめんをしました。流しそうめんはこの夏,薬学部で大ブレイク(?)し,すでに何回か行っているのですが,KSCがその最終回で,このシーズンを締めくくることになりました。

 準備は前日から始まりました。竹は毎回使い回ししていることから汚れが目立ち,かんながけをして汚れた部分を削り落としました。また,風流に竹の容器も作ることにしました。そうめんは岩崎先生,岡先生,きむらさんに提供していただき,岩崎先生宅で湯がいていただけることになりました。

 当日の未明は大雨が降り,朝も暗い雲が立ち込めていました。雨が降ったら軒下でやればいいや,と思っていたのですが,昼前になって急に雲が取れ,真夏のような日差しに!

 12時前に集合して竹の組み立て,水洗いなど直前の準備をしていきます。
 
 今回は夏休み期間中であり,朝まで天気が悪かったことから,どれだけ人が集まるか心配していたのですが,そうめんの量が心配になるくらいたくさんの人が集まりました!


 いよいよ流しそうめんの開始です。
 そうめんの取りやすさからすると,最適な立ち位置は

右利き右岸,左利き左岸

と憶えておきましょう (^o^)/ 右岸・左岸の定義の勉強にもなるこの名言(?),これこそ「流しそうめんの法則」といいます(本当かな?)。冗談はともかく,反対側にいると,往々にして 「あ"~」 という叫び声が出てしまいますよ(笑)

 今回そうめんの他に,いろいろなものが上流から流れてきました(笑),好評だったのがぶどう。名産地である東浦町のものだそうです。

 流しそうめんが終わった後は,W2棟 (旧W9号館) のラウンジで全体会をしました。秋はイベントが多いので,また忙しくなりそうです。

 みなさんおつかれさまでした~。
 




2015年9月4日金曜日

生物多様性の意識を広めるためには?

 みなさまこんにちは,よしだです。

 「生物多様性」という言葉を,このブログを読んでいただいている方の多くはご存知かと思います。2010年に名古屋で開催された「第10回生物多様性条約締約国会議」,いわゆるCOP10で広く知られるようになりましたね。

 世界では生物多様性の劣化が進みつつある深刻な状況にありながら,一方で昨年行われた国の世論調査では,「生物多様性という言葉を聞いたこともない」と答えた人が過半数だったそうです。生物多様性があるからこそ今私たちは生きていけるのに,です。

 COP10の開催地である愛知県は,生物多様性に対する県民の意識を高めるべきとの考えがあります。そのためには,さまざまな主体(企業・NPO・マスコミ・大学など)に属する人と議論を交わして政策を進める必要があるという判断から,会議が開かれることになりました。

 その会議に,
 「大学の代表」として,なぜか私にご指名
がありました\(◎o◎)/!

 KSCの活動や,私自身の湿地に関する研究は,確かに生物多様性に関わることですが,生物多様性そのものを研究しているわけではありません。しかも,生物多様性に関わる研究をしている大学の先生は,愛知県内だけでもたくさんおられるはず・・・。

 でも私でもお役に立てるなら,と,たいへん僭越ながら引き受けることにしました。愛知県庁の方から,学生さんも一緒に,ということでしたので,KSCメンバーのかつらがわさん,さいほさんとともに先日,第一回目の会議に出席してきました

 第一回目から白熱した内容となりましたが,会議はこれからも何回か続きます。
 KSCらしい意見・提言を出せるよう,知恵を絞っていこうと思います。
 

2015年9月2日水曜日

八竜湿地でザリガニ駆除

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 先週のことになりますが,八竜湿地でザリガニ駆除を学生さんとともに行いました。
 いうまでもなくザリガニ=アメリカザリガニは外来種であり,生態系に対するマイナスの影響が大きく問題となっていますが,私の研究においても八竜湿地の流量測定を妨害*する,極めてマイナスの影響が大きい存在です。

* 例えば・・・
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html
 
 一方で「ザリガニ採り」といえば子供の定番の遊びですが,やってみると大人も楽しいものです。なので関心を持ってくれた薬学部3年の学生さん4人と一緒に,「楽しく駆除しよう!」ということになりました。
 
 場所は八竜湿地の上流側にある通称「旧池」。大雨のあとだったので全体が水浸しになって,木道から簡単に釣れそう,という判断です。そう,今回はモウソウチクの枝の釣竿に手芸用の糸をつけ,おつまみのイカの燻製(いかくん)を垂らしてザリガニを狙います
なんだか釣り堀みたいな
絵ですが(苦笑)
 
 ザリガニはにおいに敏感で,いかくんに「まっしぐら」となってくれるはずですが,どうしたことでしょう,いかくんにあまり関心のない様子。お昼に近い時間帯は,もともと食欲のない時間帯なのか,あるいは日が射して明るくなったのが嫌になったのか・・・。それでもぼちぼちと釣れるようになりました
 
 釣れたザリガニの大きさはさまざま。画面から切れていますが,右下の極小サイズから 10 cm 以上のものまで。
バケツの中で威嚇してます!
 
  予想していたほどは捕獲できませんでしたが,ちょっとは駆除に貢献できたでしょうか。

 アメリカザリガニは泥を吐かせて適切に調理すれば普通に食べられます
 しかし食べられるのは尾の部分だけで,仮に体長が10 cm あっても,可食部はたかだか3 cm ほど。ロブスターみたいに太ければまだよかったんですけどね。また味は,決して不味くはないのですが,美味というほどでもありません。質・量ともに,どう頑張っても「高級食材」になりそうになく,アメリカザリガニは食材としても魅力に乏しい生きものです。

 学生さんの一人が「食べてみたい」と言ってくれたのですが,ちょっと難しそうなので今回はこのまま処分し,近くにお住まいのたアリさんの食材となりました(笑)。