2015年6月29日月曜日

ザリガニにやられた!

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日,約3週間ぶりに八竜湿地に行ってきました。金城の敷地のすぐ隣にあるとはいえ,仕事が忙しくてなかなか足を運べなかったのですが・・・

 で,フェンスの外の木道から流量測定装置を見て,イヤな予感が。前日雨が降り続いて流量が多いはずなのに,装置を超えて流れる水が少ないのです

 下の写真で,中央の丸印の部分が本来の流れなのですが,左上の丸の部分にも(写真では伝わりませんが)吸い込まれるような水の流れができていました。

 それを拡大したのがこの写真で,穴が開いて堰の下につながっているのでした。こんなことをするのはアメリカザリガニ。毎年のこととはいえ,迷惑なんですが・・・  
中央左の土のうの下に穴が開いてました
 
 とりあえず,近くにあった粘土でしっかりと穴をふさいで応急処置
指の跡がいかにも「応急的」ですが(苦笑)
 
 下の写真の左上が粘土で埋めた場所で,これでしばらく待つと中央の丸のように水が勢いよく流れるようになりました

 週末は応急処置だけでしたが,きょうもう一度現地に行き,パソコンで水位データを回収しました。すると,ザリガニが穴をあけたと思われる水位の急降下は6月12日のお昼過ぎに発生していました。なんと2週間分ものデータが使えなくなってしまったのです。頻繁に監視に来なかった私も悪いのですが,困ったものです・・・
 

2015年6月26日金曜日

クワガタムシが食べられている!

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 先日,校内の道路に無残な姿になったクワガタムシを何匹か見かけました。ちょっとショッキングな写真ですが・・・
3枚の写真いずれも別個体ですが,昆虫の体の構成要素である頭・胸・腹のうち,どれも頭があって腹はない,そしてどれもオスということでは共通しています。
 
 頭は固いうえに食べる部分が少ないので無視し,比較的やわらかくて食べる部分が多い腹の全部と胸の全部または一部を器用に平らげてしまっています。これはカラスの仕業,と一般に言われています。カラスはどこにでもたくさんいるので,このような食べ残しがいくつもあるのは(残念ですが)仕方のないことかもしれません。
 
 この食べ残し,インターネットで検索してみると,クワガタムシではなくカブトムシを対象にしたものですが,カラスだけでなくタヌキも同じように食べている,という研究がありました。
 
カブトムシを食べたのは誰?
東京大学大学院農学生命科学研究科 小島ほか
Zoological Science, Vol. 31, No. 3. (2014.3)
 
↑ リンクはつけていないので,興味のある方はこれで検索してみてください。
 おもしろいです!
 ということは,学内でも一律に「カラスの仕業」とは言えないのですね。アラカシ・コナラ中心の森が成立し,タヌキが生息するほど多様性のある生態系は,クワガタムシにとっては大切なえさ場であると同時に天敵も多い,決して生易しくはない環境ということでしょうか。
  

2015年6月24日水曜日

ハナハマセンブリ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 大学内を歩いていて,ふと小さな花が目に留まりました。下の写真の画面左上と右下に数輪の花があるのがわかると思いますが,花の直径は 1 cm くらいです。

 小さな花ですが,近づいて見てみると色も形も端正な感じがします。調べてみるとどうやらハナハマセンブリのようです。

 「センブリ」というと,薬学部では「あぁ~,あれね」と,

誰もが反射的にいやな顔をしてしまう (^_^;)

くらい苦くて有名な生薬ですが,同じリンドウ科でもセンブリが「センブリ属」なのに対し,ハナハマセンブリは「シマセンブリ属」と,異なるグループなのだそう。

 ハナハマセンブリがひどく苦いかどうかはわかりませんが,もともとこの植物は地中海原産で日本にはなく,日本にやってきてまだ30年くらいと比較的最近の外来種とのことでした。

 「外来種」というと悪いイメージしかありませんが,いまのところ個体数が少数で,在来種への明らかな圧迫はみられないことから,ひとまず様子見ですね。
  
  

2015年6月22日月曜日

ウスノキの実

 みなさまこんにちは,よしだです。

 10年以上前,当時博士課程の大学院生だった私は,研究室のメンバーとともに学会発表でスウェーデンに行ったことがあります。ちょうど夏至の日の前後で,学会が行われた南部のウプサラという街でも夜の11時ころまで明るかったのにはびっくりでした。

 学会の後は一人で夜行列車で国境を越え,ノルウェー北部のナルビクという街まで行きました(完全に物見遊山です・・・苦笑)。ここはもう北極圏で,夏は太陽が沈まない「白夜」となります。でも実際は,太陽が低い位置にあるので,ひたすら夕焼けの赤い空が続くと言った方がわかりやすいでしょうね。そしてその夕焼けは,そのまま朝焼けになるのです!\(◎o◎)/

・・・・・

 きょう6月22日は夏至。残念ながら梅雨空で太陽の姿を見ることはできませんが,北欧の白夜ほど劇的ではないにせよ,日の長さを感じますね。

 そんな梅雨空の下で,早くも実をつけている植物がありました。ウスノキです。
 全国的に分布する樹木ですが,大学周辺で私が知っているのは八竜湿地のこの一株だけで,金城の森ではまだ見たことがなく,この周辺ではちょっとめずらしい植物の一つです。

 この「ウスノキ」という名前,実の上の部分が少し凹んでいて,それが臼のように見えることから名付けられたそうです。ちょうど雨のあとで,「臼」の部分に水がたまり,ガラスのオブジェのようになっていて,かわいらしいですね!
 



2015年6月20日土曜日

流しそうめんにむけて

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 薬学部の学生さんから,
夏になったら流しそうめんがしたい!
というリクエストがきました (^o^)

 そうめんを流すだけなら,ホームセンターなどで売っているポリ塩化ビニル製の雨どいでも全く不都合はないのですが,気分を盛り上げるためには竹が一番! というわけで,まつやま先生と一緒に学内の竹林で竹を切ってきました
 
 竹の節の中に,ときどき虫が入っていることがあります。生育期間が長いと虫が入っている確率が高くなるので,今年出たばかりと思われる竹を選んで切り倒しました。全体で 10 m 以上もあるモウソウチクですが,そうめんが流せそうな太い部分約 7 m を切り出し,枝を切り払いました。
 
 切ったタケは炭焼き小屋近くまで運び,ゆっくりと自然乾燥させます。乾燥すると「青竹」ではなくなってしまい,見た目は地味になりますが,半割りをして節を取り除いてもねじれることがありません。
 
流しそうめんはまだまだ先の話ですが,
今からすごく楽しみになってきました(笑)。
 
  

2015年6月19日金曜日

KSC全体会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 本日はKSCの全体会を行いました。場所はいつものラーニングコモンズ。メンバー9名が出席しました。
 今回メインの議題は,「里山パンフレットをどうするか」そして「里山散策路の案内板設置について」でした。

 前者は,3年前にパンフレットを作ったものの,学内の校舎建て替えで,地図が現状と一致していないという問題が生じてしまいました。校舎の建て替えが完了するまでまだ何年かかかることから,新しく作っても「暫定版」となってしまうため,現在のパンフレットを修正したうえで少なめに印刷することにしました。

 後者は,これまた校舎の建て替えで将来的に変更が生じるかもしれないものの,地図なども盛り込んだわかりやすいものを今後考えていくことにしました。 
里山散策路の案内板について
熱く語る小野先生
全体会の開始前は,健康診断のコレステロール値について
熱く語っておられました(笑)
 
*今回使用した写真はいずれもまつやま先生に撮っていただいたものです。
 ありがとうございました。 

 

2015年6月15日月曜日

湿地生物の調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先週金曜日,なごや生物多様性センターの寺本さん,岐阜大学大学院の伊藤さんが金城に来られました。目的はヒメタイコウチのDNAの調査のためです。

 生態学の研究においても今やDNAの解析は重要な手法のひとつと位置づけられています。これによって,たとえばある地域に生息するある生物は,遺伝的にひとつの集団なのか,複数の集団に分類することができるのか,といったことを解明することができます。

 今回,金城の内外でヒメタイコウチを採取したいとのことでしたので,小野先生と私がご案内をしました。水辺を見て回り,落ち葉を取り除いたり,泥をさらったりしてヒメタイコウチを探します。
 4人でいくつかの場所を回り,探してみましたが,思ったようには見つかりませんね。探していない時はすぐ見つかるのに・・・(^_^;)。

 普段まじまじと水辺を見ることはあまりないので,別の発見がいろいろあって楽しかったのですが・・・(苦笑)。たとえばこんな物も。
なにかに食いちぎられた
アメリカザリガニです

 私も何匹か見つけましたが,今年生まれた小さなものばかり。この写真の個体も,体長が 5 mm くらいしかありません (>_<)
小さっ!
 
 個体が小さくても大きくてもDNAは採取できるそうですが,5~10匹いないと信頼できるデータが得られないとのことなので,がんばって何とか数を揃えました。

 金城周辺に生息するヒメタイコウチについて,どんな結果が出るのかとても楽しみです。
  
 

2015年6月12日金曜日

ボウフラの採集?!

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 昨日 (11日 木曜日) の夕方,W1号棟の西出口で,学生さんたちがコソコソと?何かやっていました。
 
 なんとこれ,蚊の幼虫であるボウフラを集めていたのです! 落ち葉が入った右の容器を外に置いておき,そこに発生したボウフラを左の容器へみんなで移し替えているのが上の写真なのです。
 
 これは,蚊取り線香やその成分の起源である除虫菊が,蚊の殺虫にどの程度効果があるのか確かめてみよう,という薬学部の学生さんの実験の一環。ボウフラから蚊を育てて(?)実験に使うのです。
 
 この実験にあたっては,蚊をたくさん集めるにはどうしたらよいか,と学生さんから「里山担当の」私に相談がありました。蚊そのものをおびき寄せて捕える方法もあるのですが,ボウフラを捕まえて蚊にした方が確実に数が得られるので,この方法を提案したのですが,正確な数はわからないものの,今回だけで100匹くらいは採取できました (@_@)
 
 下の写真は採取したボウフラが泳いでいる様子。まっすぐなものと,腰が曲がったようなものがいますが,前者がボウフラの若者,後者が老人のボウフラ,ではなくて(笑),前者が幼虫,後者がさなぎです。普通昆虫のさなぎはじっとして動かないものですが,蚊は呼吸をしなければならないためでしょうか,幼虫と同じように動きます。
 
 さて,どんな実験結果となるでしょうか???
  
  
 
 

2015年6月10日水曜日

梅雨の合間の夕焼け

 みなさまこんにちは,よしだです。

 いよいよ東海地方も梅雨入りが宣言されました。これからしばらく雨が続いて・・・と思っていたら,梅雨入り翌日である9日(火曜日)のお昼にはいったん雨が止み,夕方には晴れ間が出て,それはそれは美しい夕焼け空となりました

 私は4月から居場所が変わり,窓を背にした机の向きなので,この夕焼け空に気づくのが若干遅れてしまいましたが,あわててカメラを取り出し,写真を撮りました。ランドルフ記念講堂が強い斜光線に照らされ,金城の森と強いコントラストを作っていました
(元写真ではコントラストが強すぎたので,すこし落としています)
 
 この時の名古屋市内の様子はこんな感じで,市内の建物が同様に照らされていました。
 
 このすぐ後に日が沈み,10分ほどで空が焼けるように赤く染まりました
(2,3番目の写真は,トリミングにより画角を「ほぼ」揃えています)

用事があったため,この先の空の変化を見届けることはできませんでしたが,ここまで空が焼けるのはめずらしいですね。

 まだまだ忙しくて余裕のない私ですが,自然が作る美しさには息をのむばかりです
 
 

2015年6月6日土曜日

第36回炭焼き

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 6月5日(金曜日),KSCで36回目となる炭焼きを行いました。このところ暑い日が続いていましたが,この日の気温は平年並みに戻り,午後から雨が降り出す天気で,「暑くて大変な炭焼き」にならずに済みました(笑)。
 
 いつも通り9時に作業が始まり,河村先生と私で
 
① 窯の上の砂を除去する
② 前回の焼いた炭の取り出す
③ これから焼くタケを窯に詰める
④ 窯の上に砂を乗せる
⑤ 焚き口を掃除して薪を入れる

の順序で準備を進めました。窯に竹を詰めた状態がこちら。
 今回は切って間もない竹がたくさんあって,水分がちょっと多めかな,との想定で焼くことにしました。

 バーナーで薪に点火し,うちわであおいで火をまわしていきます。 
 
 やはり竹の水分が多いからなのでしょう,今回の点火直後の煙は白く濃く,重いのか,地を這いながら拡散していきます。この煙のけむいことけむいこと・・・ (>_<) 
 
 しかし,水分が多い割には「けむい時間」が30分と短くて済みました。窯の中が一定の温度まで上がり,上昇気流が発生するのです。この時煙突の温度は60度で,同時に竹酢液が出始めます

 薪が安定して燃えるようになるので,少し手が離れてミツバチの巣箱を見学したり,竹を切ったり,薪を割ったり・・・
私も薪割りを・・・
この写真はきむらさんに撮っていただきました
 
 午後になると窯の上に乗せた砂が温まってくるので,「焼ものの時間」(苦笑)になります。今回新規企画(?)として,きむらさんがヤングコーン(ベビーコーン)を買ってきてくださり,砂の中で焼いてみました。
 ヤングコーンというと,一般には煮たもの(水煮)が定番ですが,焼いてもおいしいです! もちろん軸までやわらかくいただきました!
(きむらさん,ありがとうございました)

 一方,定番の「焼いも」ももちろんやりましたよ~。
 今回私がスーパーで12本ほど調達してきたのですが,「金時いも」は甘みが強くねっとりした食感でおいしかったです。学生さんにも好評でした!

 水分の多い竹を焼いた割には,竹酢液は2Lちょっととかなり少ない量しか採れませんでした。15時になると竹酢液が出なくなり,煙の色が変わってきたので焚き口を閉めることにしました。

 前回・今回焼いた竹炭は,7月・8月のオープンキャンパスで配布する予定です
 オープンキャンパスに来られた皆さんに喜んでいただけたら,と思っています。 
  
 

2015年6月3日水曜日

花盛りのノイバラ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先週金曜日は八竜湿地で水質調査が,昨日は薬学部の先生と学生さんを対象とした八竜湿地の見学がありました。今年は全体的に花の開花が早いようで,いつもならこの時期咲いていそうな花が,残念ながらあまり見当たりませんでした。

 そんな中,派手に(笑)咲いていたのがノイバラ

 イバラというと,苦難の連続を意味する「いばらの道」という言葉を思い出しますが,その名の通りトゲがたくさんあって,森の中で服を引っかけたり,手に刺されたりで,調査が苦難の連続に・・・(苦笑)。はっきり言ってやっかいものに感じる植物ですが,意外に?花はきれいです
同じバラ科ということで,リンゴやナシの花にどこか似ている感じがありますね。大きな羽音を立ててクマバチが花から花へと花粉や蜜を集めに来ていました。
  

2015年6月1日月曜日

青い蝶

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日から6月,そろそろ梅雨に入る時期になりました。それにしても・・・ことしの梅雨前の暑さはひどいですね。これから湿度も高くなると思うとげんなりです。

 さて今回は,先日学内で見たきれいな青い蝶を紹介します。
 黒色に縁どられた光沢のある青色というか,るり色がとても印象的です。調べてみたら

ムラサキシジミ

という蝶のようです。日本に広く分布していて珍しいものではないそうですが,幼虫はスダジイやアラカシなどの樹木を食べて成長するとのことなので,アベマキ・コナラといった落葉広葉樹から,スダジイ・アラカシといった常緑広葉樹の森に変化しようとしている金城の森の現在の状況を象徴する蝶,ということのようですね。