2015年1月31日土曜日

鳥の群れ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 落葉樹が葉を落とす冬は鳥を観察するにはいい季節ですが,特に朝は活発に動くので,探さなくてもいろいろな鳥を見ることができます。

 朝の出勤時,私はいつもひとつ前の喜多山駅で列車を降り,第三駐車場から大学に入ります。駐車場から森の中を通っていくだけでも,鳥が飛び交う姿が見られます。けさはツグミが道路を横切るのを目撃し,さらには

あっ,ルリビタキ!
最近の私のお気に入り!(笑)

やっぱりいましたね。さっと常緑樹の中に消えてしまい写真は撮れませんでしたが,メスタイプでした(ちゃんと学習しましたよ~)。

 ルリビタキはなかなかお目にかかれませんが,たとえばシジュウカラ・ヤマガラ・エナガ・コゲラなどはこの時期一緒に群れをつくって活動するので,うまく群れに当たれば一度に何種類もの鳥に出会えます。

 下の写真はその一つ,エナガです。この群れの中で一番尾が長いので,簡単に見分けられるでしょう。
おしりから失礼します(笑)

 そしてこの群れによくくっついているのがメジロ。メジロだけでかなりの数の群れをつくって飛び回っています。花の蜜や果物など甘いものが好きな鳥,というイメージがありますが,虫も好物で,木の幹のすきまにいる虫を探して食べます。おっとりしていそうに見えますが(失礼?),その動きは俊敏かつ器用で,木の幹を自在に動き回ります
幹に縦に止まることもあれば・・・
(きつつきではありませんよ)

さかさまにだって止まれちゃう・・・

  えさの少ない冬を乗り切るために,鳥たちは必死なのでしょうが,群れの鳥たちが木から木へあちこち飛びまわるさまは,なんだか楽しそうにも見えます。
 

2015年1月26日月曜日

そだ柵づくり

 みなさまこんにちは,よしだです。

 24日(土曜日),地元ボランティア団体や名古屋市などの八竜湿地の関係者で行う「八竜緑地ワークショップ」の第3回が行われ,今回は実際に緑地内で作業を行いました。それがタイトルにある

「そだ柵づくり」

なんですが,そう言われても「なにそれ?」ですよね・・・。

 大雨になった時,渓流の流量が急激に増して,土砂が一気に流れるようなことが起きます。それを抑制する大規模なものが「砂防ダム」ですが,砂防ダムと同じ機能を持つ規模の小さなものを,森にある物でつくったのが「そだ柵」です
 
 まずは「名古屋市みどりの協会」の方から,作り方の説明や安全教育が行われました。
ご安全に!
 
 下の写真の中央部分は谷地形になっていて,右から左へ緩い斜面になっています。普段は全く水がありませんが,大雨が降ると土砂混じりの水が流れるので,それを抑制します。木の幹で作った杭を打ち,緑色の網を張りました。
 
 ここに木の幹を束ねたものを積むのですが,その木を森に入って調達します。木を切れば森を明るくすることもでき,一石二鳥ですね!
 
 最初の一束を置いた状態です。背後では何人もの人が木を切って束を作っています。
 
 さすがの人海戦術,次々と幹の束が谷に運ばれてきます。それを組み上げていってあっという間に完成しました
 
 ちょうど体が温まってきて,作業が楽しくなってきたところなんですけどね~(苦笑)。できあがったそだ柵を見て,みんな満足です(笑)。
おつかれさまでした~
 
 私にとって「そだ柵作り」は初めての経験でしたが,森の木をうまく利用するこの方法は,重機などの専門的な機材も必要とせず,人の手だけで作ることができて,なおかつ森の保全にもつながり,とてもいい方法だと思いました。豪雨はできれば起こらない方がいいのですが,そのようなときにそだ柵が活躍してくれることを期待しています
 

2015年1月24日土曜日

ヒラタケが大量発生!

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日(23日)のタケの伐採作業の後,学生さんが炭焼き小屋の近くのアベマキの倒木にたくさんのきのこが生えているのを見つけました。倒木は直径30cmくらいある大きなものなのですが,それに群生するように大小のきのこが出ているのです。
見つけた学生さん,さっそく激写です(笑)
 
こんな感じでボコボコ出てました。右上の塊なんて,人の顔よりも大きいくらい!

 見た目は食べられそうに感じたのですが,きのこは食用きのこと毒きのこで似たものが多かったりして,安易に採って食べるわけにもいきません。この時は名前も何もわからないので,写真を撮るだけで研究室に戻ってきました。

 ところで,KSCでは外来種のニセアカシアの幹を使ってヒラタケの原木栽培をしています。
 
2014年3月28日 ヒラタケの菌打ち
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2014/03/blog-post_28.html

それを思い出し,研究室でヒラタケのことをインターネットで調べてみたら・・・

あれっ,さっき大量に生えていた
きのこに似ている・・・
 
そう,あの大量に発生していたおいしそうに見えたきのこはヒラタケではないかと・・・

 もう少し念入りに調べてみると,ヒラタケは
 
   ・広葉樹の枯れ木に生える
   ・生えるのは秋から春までの寒い時期
   ・通常群生して生える
   ・形態は様々だが,傘は半円形で柄は短い(ないこともある)
 
 でも毒キノコだったら困るので,ヒラタケと間違えやすい毒キノコについても調べてみました。該当したのは「ツキヨタケ」。キノコ中毒では最も多い件数だそうで,そういえば昨年秋に,道の駅でヒラタケとして売っていたものが実はツキヨタケだった,という事件もありました。
 
 なのでツキヨタケについても調べてみると
 
   ・広葉樹の枯れ木に生える
   ・生えるのは夏から秋にかけて
   ・柄を裂くと基部に黒いしみがある(ないこともある)
   ・柄の基部につばがある
 
 生えてくる木はヒラタケもツキヨタケも一緒ですが,生える時期が異なり,今はツキヨタケのシーズンではないようです。そして「黒いしみ」「つば」が確認できればほぼ大丈夫ということになります。
 
 ふたたび炭焼き小屋に行き,まずは一本だけ取ってみて,「つば」がないか,裂いて「黒いしみ」がないか確認してみました。
 
どちらもない!
 
 たぶんこれはヒラタケだろう(ヤッター!),ということで,まだ生えて間もない新鮮そうな(=おいしそうな)小さめのものを少し採ってきました。
きのこらしいの香りがあります
 
そして,自宅でてっとり早く軽く炒めて,塩を振って食べてみました。
 
クセがなくておいしい∖(^o^)

 ヒラタケはスーパーでも売っているくらい普通のきのこですが,それは栽培したもの。こちらは天然物です。数段おいしいように感じました(笑)。
 
 きのこは知識がないとなかなか手が出せないですし,「みなさんもぜひお試しください」とも積極的には言えないのですが,今回はしっかり確認をして美味しい思いをすることができました。
 

2015年1月23日金曜日

タケの伐採

 みなさまこんにちは,よしだです。

 雨が上がってすっかり晴れ渡ったきょう,KSCで竹の伐採と竹割りをしました。2月に行う炭焼きのの材料にするためです。

 学生メンバー4名と教職員メンバー3名が集まり,まずは文四郎池の周囲に生えているタケの伐採です。上空には電線が走り,フェンスの外は学生さんなども通るので,上下左右を確認しながらの作業です。
いいか~ 倒すぞぉ~
 
 伐倒したタケは炭焼き小屋の前まで運んでいきました。今回タケをまとまった量切ったので,すでに小屋の前は若干収拾のつかない状態に・・・(苦笑)
どっさり・・・
 
 まずはタケの枝葉を払い落としつつ,幹を一定の長さに切っていきます。人海戦術(と言っても7人ですが)でどんどんやっつけていきます。
 
 こんどは切ったタケを2つから4つに割っていきます。手前に見えるのはタケ割り器で,いちどに4つに割ってしまう優れもの!
タケを割る音が森に響きます
 
 あんなにどっさりだった作業場も,気がつけばこんなにきれいに(笑)。割ったタケの節を取ればできあがりです
 
 次回の炭焼き用に,切ったタケの一部は窯に詰めて,残りは小屋の片隅に山積みにしました。窯に詰めた分は,炭焼きまでふたを開けておいて自然乾燥させます。
 作業はこれで終了し,炭焼き小屋近くの朽木に生えていた大きなきのこを見たり,ランドルフ記念講堂下の湧水地の様子を確認したりして解散となりました。

 次回の炭焼きは2月18日(水)。
 まだまだ寒い頃ですが,焼いもが楽しめるかな?(笑)
 

2015年1月22日木曜日

ルリビタキ

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 前の記事で,トヨタの森へ水質調査に行ってきたことを書きましたが,スタッフの方みんないい人なんです)の計らいで,当日行われたバードウォッチングのイベントに飛び入りで参加させていただきました。双眼鏡を貸してもらい,園内の散策路をぐるっと回って鳥を探すのですが,その時見つけたのが表題の「ルリビタキ」。
 瑠璃色をしたヒタキの仲間,というのが名の由来なのですが,「幸せの青い鳥」のようなきれいな青色をしているのはオスの成鳥だけで,メスやオスの幼鳥は緑がかった灰色をしています。なので,上の写真はメスかオスの幼鳥のどちらか。区別がつかないのでこれを「メスタイプ」と呼ぶのだそうです

 私にとって初めてのルリビタキなので感激していたのですが,スタッフの方から
「きっと金城の森にもいるでしょう」
とのこと。また一つ楽しみが増えたのでした。

さて,その翌日・・・♪♪

 自分が撮ったルリビタキの写真を見て,またも一人少々悦に入っていた(ニヤニヤ)のですが,ふと

おやっ,これに似た鳥を撮ったような・・・

という思いがよぎってきました。記憶の糸をたどってたどって,たどり着いたのが約2年前のブログ記事。

2013年2月5日 「しいたけ菌打ち」
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2013/02/blog-post_5.html

 コナラのほだ木にシイタケの菌を打ち込んだことを書いたものですが,その時見慣れぬ鳥がやってきて写真を撮ったのでした。同じ写真をもう一度載せます。
これ,ルリビタキじゃん!

 一枚目の写真と撮った向きが違うのでわかりづらいかもしれませんが,右下に延びる尾羽がきれいな青色ですね。ずっとこれをジョウビタキのメスだと思い込んでいて,でも翼の中央にあるはずの白い模様がなくて変だな~とも思っていたのですよ。

 なので2013年2月5日の記事の 

「・・・どうやらジョウビタキのメスのようです。ジョウビタキに特徴的な,羽にある白い模様がなぜか見当たらないため,私も判断できなかったのですが,それ以外の色合いやしぐさからから考えればたぶん間違いないと思います。」

というのは
明らかに間違いなので取り消します。ゴメンナサイ。
(あ~恥ずかしぃ~ ○| ̄|_ )

 思い込みはいけませんね。でも解決してよかったです。

トヨタの森のみなさま,わたくしを誤った道から救っていただきありがとうございました(苦笑)。
 

 

湿地調査ざんまい

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きのう・おとといと湿地調査にあちこち出かけてきました。一番近いところは天白区の島田湿地です。八竜湿地同様,ここでも流量の調査を行っているのですが,今回はそのメンテナンスと,機械に保存されたデータの回収をしてきました。下の写真の上の方に金属の棒が見えますが,これが水位を測定する機械です。持参したパソコンとこの機械とをケーブルでつないでデータを取り込みます。野外でパソコンを使うので,雨の日にはできないのが難点ですね。

 こちらは毎月水質調査を行っている知多半島の湿地です。ここでは地主さんのお許しをいただいて,プラスチック製の管を湿地の地中に埋めさせていただき,地下水を採水できるようにしています。この水の水質が,他の湿地では見られない濃度の濃いもので,その原因をきちんと解明しなければなりません。

 湿地の表面にはトウカイコモウセンゴケが群生しているのですが,同じ場所にキノコも出てきていました。なんだかかわいらしいですね。

 場所は変わってこんどは豊田市の「トヨタの森」です。年4回,季節ごとに水質を測定することになっていて,今回はその最終回です。下の場所は採水地点の一つのため池で,左下の白い買い物かごのあたりで水を取っています。
左奥には舗装道路が走り,レクレーション施設があったりして,このため池はとてもアクセスのいいところなのですが,中にはこんなところも・・・ 下の写真で,買い物かごが置いてある場所は沢の水が流れ,木の橋が架けてあるのですが,まさに山の中。もはや人が通ることもなく,前後の道も不明瞭となって自然に還ろうとしています

これを見て
一人でこんなところに行けない!無理!

と思った人もいることでしょう(私は平気ですが・・・笑)。でもフィールドワークというのは,このように全く人の気配のないところに行くこともしばしば。むしろ近くで鳥が鳴くのを聞いたり,草木の匂いを感じたりできるので,人工的なもの・音がない環境というのも悪くありませんよ。
 

2015年1月19日月曜日

ねずみもち

 みなさまこんにちは,よしだです。

 寒い日が続きますね。金城の森では落葉樹は冬枯れて幹や枝だけになり,常緑樹は葉をつけながらじっと寒さに耐え,それ以外一見何もないように見えるのですが,よく見ると実をつけているものがあります。

 きょう紹介するのはネズミモチです。在来種のネズミモチと,外来種のトウネズミモチともに金城の森には普通に見られる樹木です。

 そのネズミモチがいま実をつけているのですが,どんな実かというと・・・
じっ,地味!(笑)

 知らなかったら絶対に素通りしそうな,黒くて小指の先くらいの小さな目立たない実です。もちろんいつかは鳥に食べられるのですが・・・

 でも「ネズミモチ」の名前の「ネズミ」は,この実からきているのです。黒くて小さいのにネズミ?と多くの人が思うことでしょう。たしかにこの実からは,あのしっぽの長い四つ足動物を想像することはできませんね。じつはこの色,この形が「ネズミのフンのようだ」というのが名の由来。

お食事中の方,ごめんなさ~い! (>_<)

 実験動物としてネズミを扱っているならともかく,いまどき家にネズミが住みついたりすることも少なくなって,ネズミのフンと言われても,ほとんどの人はピンとこないと思いますが・・・

 なおもう一方の「モチ」は,葉がモチノキに似ていることから。借り物ばかりの名前(笑)ですが,名前の由来を知っていると,実際の木を見た時に「なるほど!」と思うのです。
 

2015年1月17日土曜日

KSC全体会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょう1月17日は,20年前に阪神・淡路大震災があったことから,各地で追悼の行事などが行われていますね。あの日私は,震源地から遠く離れた長野県内で一人暮らしをしていたのですが,普通ではない地震の揺れに驚いて飛び起きたのを覚えています。
 さまざまな災害は,なくすことはできませんが,それらによって犠牲になる方が少しでも少なくなるようになってほしいですし,私たち一人一人がそうなるよう意識しないといけないのでしょうね。

 さて,昨日のことになりますが,KSCでは今年初めての全体会を行いました。授業期間が終わりに近づいて,そろそろ期末試験という学生さんもいるので,今回の出席は学生さん3名に対して教職員が7名と,教職員メンバーの比率がかなり高くなってしまいました(苦笑)。 

 この全体会では,部長を一年間務めてきたたかいさんから,新しくかつらがわさんに交代すること,次回の炭焼きを2月中旬に行うこと,同じく2月中旬に,冬のハイキングとして猿投山に行くことなどを決めました。
 間もなく講義が終わって春休みに入りますが,その分落ち着いてKSCのイベントに取り組めそうです。
 

2015年1月13日火曜日

八竜湿地研究会(最終回)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 2015年が始まりました。ことしも金城の里山のようすから,KSCメンバーによるフィールドワークの様子まで幅広く紹介をしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて,年明け早々八竜湿地研究会が開催されました。2013年4月から始まったこの研究会も,2年の研究期間を経て,もう終わりが近づいてきました。

 多くの人が関わってこれまでたくさんの成果が出て,それらの報告とともに今回は,この地方の湿地の生態系を研究されている名古屋工業大学の増田先生と,江戸時代に尾張藩が管理したこの地方の森林を研究されている中京大学の白根先生が初めてこの研究会にお越しになり,講演していただきました。どちらも非常に興味深いお話を伺うことができました。
増田先生のご講演の様子です

 三連休の土曜日にもかかわらず,多くの方がこの研究会に参加され,夜は懇親会が行われました。今回はN1棟1階の「リリーノース」を借り切って・・・といっても片隅を使っただけですが(笑),こじんまりとしながらも楽しい会となりました。

 参加されたみなさま,おつかれさまでした。