2012年8月27日月曜日

炭焼きの取材

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょうは炭焼きの日でした。今回は,自然や里山を題材にしたWebマガジン「つちのこ」*を発行している,愛知県立芸術大学4年の伊藤さんが金城に来られ,KSCの活動の様子について取材をされました。
 伊藤さんとKSCとは,1013日(土)に愛・地球博記念公園で開催される「第6回人と自然の共生国際フォーラム」**にお互いに発表することが縁で,今回取材に来ていただいたのです。 

*Webマガジン「つちのこ」
http://tsuchinoko-web.blogspot.jp/

**「人と自然の共生国際フォーラム」
 (このページの「第6回」をご覧ください)
http://www.mu-academy.jp/forum/index.aspx

 今回は取材ということで,炭焼きの作業の手順を一つ一つ見ていただいたり,インタビューを受けたり。「どういうきっかけで里山保全活動を始めたのですか?」とか「KSCに入った動機は何ですか?」など,一人ずつに大変熱心に取材をされていました。
↑ 小野先生が質問を受けています

 ところで,上の写真で右端の河村先生が手にしているのが「焼きとうもろこし」。いつも炭焼きに集まった人がお菓子や食材などを持ち寄るのですが,今回はとうもろこしを焚き口で焼いてみました。
2本あったとうもろこしの一本は皮つきのまま皮が黒こげになるまで焼き(A),もう一本は皮つきの状態でさらにアルミホイルを巻いて焼き(B),出来具合を比較検討したところ,(A) の方が早く焼けて,なおかつ粒のシャキシャキ感もあっておいしい,ということがわかりました。伊藤さんにも好評でした!

【注】 KSCでは,国際フォーラムでこの実験結果を発表する訳ではありません(笑)

 それはさておき,なぜ私たちKSCはみんなで里山保全の活動をするのでしょうか? この活動が大事だから,というのも理由の一つですが,もっと大きな理由があります。

「楽しいから。」

 いくら世の中にとって大事な活動でも,そこに楽しさや充実感がなければ持続はむずかしいですよね。炭焼きでも,上のとうもろこしはもちろん,作業の合間にお茶を飲んで一息入れる,そんな何気ないひと時も「楽しい」のです。そんなみんなの思いがこの取材で伝わったのでは,と思っています。

 みなさま,おつかれさまでした!

2012年8月24日金曜日

スズメバチにご注意を

 みなさまこんにちは,よしだです。
 今朝は空気が澄んでいたようで,瀬戸線の車窓から御岳山,中央アルプス,白山などの山々を見ることができました。

 さて,前回・前々回と学内で今咲いている花の紹介をしましたが,今回はちょっと気をつけていただきたいハチの話です。炭焼小屋からランドルフ記念講堂をぐるっと回る自然散策路があります。ちょうど講堂の南側,数段の階段で下ってまたすぐ上がる場所があります。
 この写真の歩道の左側に少し大きめの茶色の木(アベマキ)がありますね。この根元に樹液を吸いにスズメバチがたくさん来ているのです。 ここに巣があるわけではないので,特に刺激を与えない限り襲撃される可能性は低いと思いますが,この付近を通らないことをお勧めします。
↑ 画面の中に少なくとも 6 匹います
 
↑ こんな感じでハチが集まっています

2012年8月23日木曜日

白百合の花

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今回も,金城の学内で咲いている花を紹介します。
 下の写真は生協 (E6号館) 北側にある「植生回復園」で撮ったもので,白いユリがいくらか群落となって咲いているのがわかりますね。草丈が 1 m 以上もあるこのユリはタカサゴユリです。原産地の台湾から観賞用として持ち込まれたものが野生化して広まったのです。いわゆる外来種ですが,農業でいう連作障害が発生しやすいことから,その土地を永続的に占拠することはないようです。

↑ ぽつぽつと奥の方まで咲いています

 白百合と言えば,金城の校章にもデザインされているおなじみの花ですね。夏の青い空,木々の深い緑の中で白い花がよく目立ちます。

2012年8月22日水曜日

クサギの花

 みなさまこんにちは,よしだです。
 夏のこの暑い時期ですが,学内の自然林では少ないながらも花を見つけることができます。

 今日紹介するのは「クサギ」です。漢字にすると「草木」ではなくて「臭木」。葉をちぎるととても臭いにおいがします。トゲと同じく,動物に食べられないようにするための防御戦略なのでしょう。写真で分かるように,比較的大きな平らな葉が特徴です。そのクサギが花の時期を迎えました。

  濃い緑の葉に映えるように,つぼみは淡いピンク色,花は真っ白です。おしべが飾りのように長く伸びていますね。

  この花,葉と違ってとっても甘い香りがします。香りはどこかジャスミンに似た感じもあり,これで虫を引きつけ,花粉を媒介してもらうのでしょう。このようにクサギは,葉と花でにおい物質をうまく使い分けているのです。

2012年8月21日火曜日

東谷山湿地

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょうは守山区の東端にある東谷山の湿地に行ってきました。ここで私たちは,愛知県の許可をいただいて,水を採取して水質を分析するのです。

 木々に囲まれた湿地は夏草が生えて一見草原のようですが,この草の下を水が流れて湿地状態を作り出しています。

 その湿地では,シラタマホシクサが花芽をつけていました。花が咲くのは9月下旬ころからでしょうか。かなり時間をかけて花を咲かせることがわかります。
 緑色の中に粒状の白色がよく映えますね。
 シラタマホシクサが群落になると,緑色の空に浮かぶ天の川のよう。今日もとても暑くて汗をたくさんかいていましたが,季節の移ろいを感じるサンプリングでした。 

2012年8月20日月曜日

緑のカーテン

 みなさまこんにちは,よしだです。

 8月も下旬となりましたが,まだまだ暑い日が続きますね。暑さを少しでもやわらげようと,植物をすだれ状に生育させる「緑のカーテン」を見る機会が多くなりました。金城でもW4号館でゴーヤを使って緑のカーテンを作っています。

 これは小野先生のゼミで学生さんが,卒論テーマとして作ったもので,KSCの活動ではないのですが,季節の話題として紹介しましょう。
 カーテンの裏に回ってみるとこんな感じです。強い日差しを遮り,緑の陰ができていることがわかりますね。この陰によって実際にどの程度の温度低下効果があるのか,温度センサーを使って計測しています。

 旺盛な生育をするゴーヤは葉をたくさんつけるだけでなく,たくさんの花をつけて実もできています。緑のカーテンはただ陰を作るだけでなく,花を眺めたり,実が収穫できたりといった楽しさがありますね。

2012年8月19日日曜日

オープンキャンパスの主役

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日 (18日) は金城のオープンキャンパスでした。今回もKSCはブースを設けてご来場のみなさんに取組みの紹介をしました。

 私がKSCのブースに向かったのはちょうどお昼頃。
 机の上のざるかごに山盛りの竹炭があったはずですが,すでにありません。約300袋用意した竹炭は,わずか1時間でなくなってしまったそうです。竹炭の人気の高さがうかがえますね。

 そして,竹炭に代わってKSCブースをにぎわせたのがカブトムシ。この日の朝に学内で捕まえられたもので,空になったざるかごの中を歩き回っていました。
 金城の自然の豊かさを教えてくれたカブトムシ,KSCブースの「もう一人の主役」だったかもしれません。

2012年8月17日金曜日

流しそうめん

 みなさまこんにちは,よしだです。
 まだまだ毎日暑いですね。かき氷や冷やし中華など,夏らしい食べ物はたくさんありますが,流しそうめんも暑さを忘れさせてくれる食べ物の一つでしょう。今日はその話題です。

 流しそうめんをするためには,そうめんを流す樋のようなものが必要ですね。プラスチックの雨樋が安く売られていますが,KSC らしくここは里山の竹を利用しましょう。太いモウソウチクも,のこぎりで簡単に伐り倒せます…と思っていたのですが,枝が他の竹や木にかかってしまい,倒れませんでした。これではいけません。
↑ これは悪い例です(苦笑)

 気を取り直して, 下から約 1.5 m ずつ,だるま落としのように幹を切っていきます。手斧を使って枝を切って,輪切りにした幹を何本か得ることができました。

 次の作業は竹割りです。樋のような形にするため,幹を二等分します。これも手斧を使います。葉をさしてトントンと幹を地面に打ち付ければきれいに割れていきます。
↑ できるだけささくれを作らないように割りましょう

 全部の幹を二等分しました。でもこれでは流しそうめんはできませんね。そう,竹の節がたくさん残っています。今度はこれを取り除きます。

 まずは金づちで大まかに節を割り,細かいところはノミと金づちでできるだけ丁寧に節を落とします。これでようやく竹の樋が完成です。
↑ まずまずの出来栄えです!

 で,今日はここまで。流しそうめんをしたわけではないのです(すみません)。

 これは,金城学院高校の依頼で作ったもので,今月末にこれを使って流しそうめんをするのだそう。流しそうめんをしながら,里山のことを考えてもらえたらうれしいですね。

 ちなみに KSC で流しそうめんをする予定は残念ながらありません。でもこうやって竹の樋を作ったら,流しそうめんがしたくなったかも…(笑)。

2012年8月16日木曜日

パンフレット作成打合せ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日は里山パンフレットの打合せが行われました。里山パンフレットとは,金城の里山(構内の自然林や八竜湿地)を訪れた方への案内用として,学生さんが主体となってデザインしたKSC作成のパンフレットです。これを見れば,金城の里山とは?とか,どんな動植物がみられるの?とかが簡単にわかります。

 今日の打ち合わせでは,パンフレットに掲載する動植物の写真やイラストとその説明書きをどうするかを中心に話し合いを行いました。写真は小野先生や私が普段から撮ってきたものを使ってもらい,それにできるだけ簡単な説明をどう付けるかをみんなで考えました。

 今日参加したのは私を含めて7名。これだけ揃うとアイディアもいろいろ出てきて,全体像がはっきりしてきました。9月末の完成を目指してもうひと頑張りです。

2012年8月12日日曜日

北アルプスにて (2)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 もう少し高山植物の話を続けましょう。上の写真は「ハクサンフウロ」という植物です。フウロソウ属の植物の一つ,と言ってもなかなか馴染みがないですが,生薬で整腸薬として用いられる「ゲンノショウコ」という植物の名前を聞いたことはありませんか? ハクサンフウロはこれと同じ仲間で,確かに花の形はよく似ています。 

 下の写真は「ハクサンシャジン」という植物です。「シャジン」は「沙参」で,「タカネツリガネニンジン」という別名もあります。確かに花の形はつりがね(釣鐘)ですね。もしかしたらハンドベルを連想する人もいるかもしれません。

 今回紹介した2種類の植物は,いずれも名前の頭に「ハクサン」が付いていますね。これは岐阜・石川県境の白山(標高 2702 m)からきています。名前にハクサンがつく植物はたくさんありますが,白山固有のというよりはむしろ,白山は古くから信仰の山として人が入っており,植物の標本を得やすかったことによります。

 ちなみにこの白山,瀬戸線からも見えることをご存知ですか? 尾張瀬戸方面行きの列車が大曽根駅を出てすぐ,JR中央線を乗り越す手前の辺りの進行方向左前に小さく見えます。特に冬はその名の通りいち早く白い山となるので,分かりやすいでしょう。

2012年8月9日木曜日

北アルプスにて

みなさまこんにちは,よしだです。
 前回に引き続いて,高山地帯に生育する植物のお話をしましょう。

 ひとくちに高山植物と言ってもたくさんの種がありますが,その花の可憐さで代表格と言えるのが下の写真のコマクサです。「コマ」は駒,つまり馬の意味で,花の形が馬の顔の形に似ているから名づけられました。このような形の花は他になく,簡単に見分けることができます。梅雨の終わり頃が花の見頃にように思っていましたが,今年は全体的に生育が遅れているのかもしれません。

 さてこの植物は,写真からもわかるように,砂や石ころだらけの荒れた場所に生育します。実った種子は,石などに当たって表面に傷がつかないと発芽しないと聞いたことがあります。水や養分が乏しく,他の植物が入れない厳しい環境で生育できる戦略があるのでしょう。

  今回私が訪ねた北アルプス唐松岳(からまつだけ, 標高 2696 m)から五竜岳(ごりゅうだけ, 標高 2814 m)の尾根には何ヶ所かコマクサの群落地がありました。下の写真もその一つ。やせた尾根筋にたくさんの花を咲かせていました。

 ちなみにこの群落地付近の登山道はこんな感じです。
 切り立った崖をなぞるような道を,設置された鎖を頼りに進んでいくスリリングな区間です。写真奥が五竜岳の山塊,左側に見える白いものは残雪です。8月に入ってもまだ雪が残っていますが,9月の終わりには初雪が降ります。このように高山では,植物が生育できる期間は非常に短く,大急ぎで成長して花を咲かせ,実をつけるのです。

2012年8月8日水曜日

ヒロハヘビノボラズ

みなさまこんにちは,よしだです。

 今回は里山を少し離れて,北アルプスの登山道で見た植物をご覧いただきましょう。
 一枚目の写真は長野県白馬村の八方尾根(スキー場で有名ですね)で撮ったもので,「ヒロハヘビノボラズ」です。東海地方の丘陵地にある湿地で見ることができるヘビノボラズと同じ仲間(メギ科)の植物です。ヘビノボラズとよく似ていて葉が広いからヒロハヘビノボラズです。写真をよく見ると鋭い棘がたくさん生えていて,確かに蛇も登れなさそうですね。棘はご存知の通り,植物が動物に食べられないようにする防御戦略の一つ。シカやカモシカに対しては有効なのかもしれませんが,一方でミヤマシロチョウというチョウの幼虫はヒロハヘビノボラズをはじめとするメギ科植物しか食べません。

 二枚目の写真は白馬五竜高山植物園で撮ったもので,八竜湿地でもおなじみのモウセンゴケです。冬は雪で閉ざされるような環境でも盛んに生育している様子がうかがえますが,もともとはどちらかといえば寒冷な地方の分布が中心だそうで,名古屋のような暑い場所での生育の方が例外的なのかもしれませんね。

 今回は東海地方の里山の湿地になじみのある植物を紹介しましたが,山の植物といえば「高山植物」ですね。次回はその中からいくつかを紹介しましょう。

2012年8月7日火曜日

竹炭の袋詰めとミーティング

みなさまこんにちは,よしだです。
 昨日の夕方の大学近辺は土砂降りの雷雨でしたが,今日は一日晴れて暑いです。

 きょうは先日行った炭焼きの窯開けと,焼けた竹炭の袋詰め,そしてミーティングを行いました。
 炭焼きでは順調に窯の温度が上がっていったことから,予想通り竹炭のできばえも上々で,焼けすぎて灰になってしまったタケも,生焼けのタケもごくわずかでした。ちょうど良く焼けたタケはW10号館西側のひさしの下(つまり日かげです)に持っていき,そこで竹炭を 50 g くらいずつ量りとってチャック袋に詰めていきます。
 今日詰めた竹炭は今月18日(土)のオープンキャンパスなどで配布する予定です。

 続いて今日はミーティングも行いました。何回か続けて行っている,金城の里山を紹介するパンフレットについての話し合いです。パンフレットは9月中には完成させなければならないのですが,あとは動植物の写真と説明を入れるだけ。もうちょっとで完成です!

2012年8月6日月曜日

里山案内システム

みなさまこんにちは,よしだです。

 きょうは小野先生,岩崎先生とともに「里山案内システム」について打ち合わせを行いました。このシステムは,誰でも大学の里山を見て回れるよう,iPod touch を使って画像で案内するもので,岩崎先生とそのゼミ生が開発を進めています。きょうは案内の内容が正しいかなどを,黒猫のキャラクター「わかば」のガイドに従って画面を進めて確認を行いました。
  この案内システムは,9月に開催する親子自然観察会で実際に使っていただく予定にしております。