2012年12月27日木曜日

里山の明るい冬

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日は寒い朝を迎えました。晴れて空気が澄みわたり,私が記憶している限り今年一番の鮮やかさで北アルプス・中央アルプスから西の伊吹山まで見渡すことができました。

 下の写真は,金城の中にある文四郎池(ぶんしろういけ)の今朝の様子です。薄いですが氷が張っています。

  ところで,みなさんにとって里山の冬のイメージってどんな感じでしょうか? 確かに秋のような紅葉の彩りもなければ,春の新緑の若々しさもなく,どこか寂しい感じがするかもしれません。しかし,下の写真から,冬の里山には空の明るさを感じ取れないでしょうか?
 ここは八竜湿地の横にある,木が生え過ぎないよう適切に管理されている森です。冬ならではの明るさがありますね。これが冬の里山の風景です。 

 一見無彩色に見えるこの景色の中にも,よく見ると鮮やかな色を見つけることができます。こちらはガマズミの実です。きれいな赤色ですね。

 そしてこちらはクチナシ。美しい橙色をしています。
 さて,金城は今日が仕事納めです。早いもので2013年のお正月まであと5日。このクチナシの実が,お正月の栗きんとんの色づけに活躍するのももうすぐです。
 

2012年12月26日水曜日

湿地の植物

 みなさまこんにちは,よしだです。
 前回から少し間が空いてしまいました。今年最後の湿地の調査が立て続けに入っていたところへ,分析装置などが相次いでなぜか同時に故障してしまい,さらに私自身が風邪をひいてダウン…。うまくいかないこともあるものです。

 それはさておき,今月の調査で見た湿地の植物を今回はご覧いただくことにしましょう。
 最初は東谷山のふもとの湿地です。草はすっかり枯れていますね。

 しかし,シラタマホシクサは枯れてもそのシンボルである「白玉」を残していました。クローズアップしてみると…
  白玉はいくらか形が崩れてきました。中に黒い点が4つ程見えるでしょうか。これが種子です。このことからも分かるように,白玉で一つの花,ではなく,小さな花の集合体が白玉なのです。一つの白玉にいくつ種子ができるかは個体によって大きく異なり,全く結実していないものもあれば,30個以上もの種子を持っている場合もあります。またこの写真からは,茎がねじれていることもよくわかりますね。

 さて次は四日市の御池沼沢(おいけしょうたく)で見かけたヘビノボラズです。ヘビノボラズは以前にも紹介しましたが,赤い実がよく目立ちますね。御池沼沢ではかなりの数のヘビノボラズが生育していました。

 最後は鈴鹿市の金生水沼沢(かなしょうずしょうたく)で見かけたトウカイコモウセンゴケです。部分的に群生をしていました。ここは丘陵地というよりかは平野といった方が適切で,周辺は田んぼが広がっています。このような所にある東海丘陵要素植物群が生育する湿地はちょっと珍しいと思います。

 この他,今月は金城に隣接する八竜湿地や,金城の学内の湧水点でも調査を行っています。それで今月のサンプル数は全部で62。故障してしまった分析機器に代わって,ご厚意で名古屋大学の機器を使わせていただくことになりました。今後順次水質を明らかにしていきます。

2012年12月15日土曜日

「守山の自然と文化を探る」講演会を開催

 みなさまこんにちは,よしだです。

 雨の朝となったあいにくの天気でしたが,きょうは「守山の自然と文化を探る」講演会を開催しました。金城のあるこの守山・大森の地はどのように成立し,どのように変遷してきたのでしょうか? 今回お二人の先生をお招きして,それぞれのお立場からお話を伺うことにしました。

 お一人目は金城で教職課程の講師もしていただいている森先生です。先生は地層の中に埋もれている生物遺体から当時の環境やそこに暮らしていた人々の生活を明らかにする研究をされており,地質が形成された250万年前からさかのぼってお話をしてくださいました。

  お二人目は金城のすぐ近くにある大森寺(だいしんじ)のご住職でおられる石橋先生です。大森寺は尾張徳川家の「御寺」(みてら)のひとつで,由緒正しく,また歴史のあるお寺です。そのようなお寺がなぜ大森の地に建立されたのか,さらに江戸の徳川家と寺院がどのように関係してきたのかも含めて,お話をしていただきました。
  
  お昼をはさんで午後は幸い雨も止んだため,予定通り森先生のご案内で金城のある丘陵地の地質や八竜湿地の見学に向かいました。
↑ 体育館の横から地層の特徴が見えることを
森先生が説明しています

  八竜湿地では森先生だけでなく,小野先生や私も生物や水質について少しお話をさせていただきました。

  今回森先生,石橋先生ともにとても興味深いお話で,何気なく歩いていた大森の地を新しい目で見ることができるようになりました。お二人の先生方には大変感謝しております。また,今回は20名以上の方にお集まりいただきました,ご参加くださりありがとうございました。

 なお今回の講演会の様子は,地元のグリーンシティーケーブルテレビの取材を受けました。下記の時間に放映されるそうですので,よろしければご覧ください。
 12/17(月)
   18:50 ~ 19:50 ~ 20:50 ~ 21:50 ~ 22:50 ~ 23:50 ~
 12/18(火)
    8:30 ~  8:40 ~  8:50 ~
 12/23(日) ~ 12/29(土)
   毎日 15:00 ~
主催者代表の小野先生にもインタビューです
 

2012年12月13日木曜日

鳥の事故

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日はすこし悲しいできごとをお知らせしなければなりません。
 お昼過ぎのこと,私のいる建物の脇で鳥が落ちていた,という知らせを聞きました。建物にぶつかってそのまま転落してしまったのでしょう。ぶつかった鳥はすでに学内の森の中に移動されたそうで,知らせていただいた先生方とともに様子を見に行くことにしました。

 単に頭を打って一時的に意識を失っているのなら,もうどこかへ飛んで行ってしまったかもしれませんが,その鳥はまだそこにいて,残念なことに固く,冷たくなっていました。
  あまり見慣れない鳥です。部屋に戻って調べてみたら,ツグミの仲間の「シロハラ」という鳥であることがわかりました。ツグミの仲間は時々大学でもさえずりを聞くことがあるのでいることは知っていましたが,実物を見るのは初めてです。

 少し羽根を広げてみました。
背中や羽根は茶色をしていますが,お腹の部分が白いので「シロハラ」です。この写真で分かる通り,首が少し曲がっていますね。おそらく,建物にぶつかった衝撃で首に無理な力がかかったことが致命傷になったのでしょう。

 かわいそうですが,致し方ありません。この後このシロハラを埋葬しました。
 

2012年12月12日水曜日

名古屋から見える山-白山

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょうの名古屋は晴れて霜降る朝を迎えました。しかし名古屋から見渡せる山々は,雲に姿を隠していました。

 私はこのブログで時々,山が見えた話を書いているのですが,先日KSCで,白山(加賀白山,岐阜・石川県境)は具体的にどのように見えるのか?が話題になりました。なので今日はそのお話をすることにしましょう。

 瀬戸線の大曽根駅を大森・金城学院前駅方面に向かって出発すると,線路はすぐに上り勾配になり,列車は少しずつ標高を稼いでいきます。その頂上に近づいてきたら,進行方向左前方を見てみましょう。こんな風景になってきます。
 青い山の向こうに,中央やや左よりですが,白い頂上が顔を出しているのが見えますね。これが白山です。 手前の山との位置関係を確認しておきましょう。

 画面中央に白山が来るよう,上の写真を拡大してみました。
 白山の左に白い大きなマンション, 画面右下の牛丼チェーン店の看板,左下に自転車チェーン店の看板が見えますが,普段からこれらの目印が見える場所を把握しておくと,見つけやすいと思います。

 もう少し列車が進むとこんな感じになります。白山は画面中央です。上の写真の牛丼チェーン店の看板が左端に移り,右から大きな茶色のマンションが現れてきました。その下のクリーニング店の看板も目印になるでしょう。
 この先,列車は進行方向を東に変えるため,これ以降白山が見える場所はありません。

 ちなみに私は毎日,列車からどの山が見えるのかメモをしているのですが,空気が澄み始めた10月1日以降,瀬戸線にはきょうまで54回乗車し,うち白山が見えたのは7回でした。

 視界にある山の名を割り出すことを,やや堅苦しい表現ですが「山座同定(さんざどうてい)」といいます。これのポイントは,「どの位置から」「どの方向に」「どのような形で」山が見えるかを理解することにあります。一度分かると,それを基準に他の山の名前も分かってきて楽しいと思います。
  

2012年12月10日月曜日

雪の里山

 みなさまこんにちは,よしだです。

 名古屋では昨日の夕方から雪が断続的に降り,今朝はこの冬初めての積雪となりました。私は雪が積もるとわくわくする「犬型」でして(笑),雪景色を楽しんでいました。

 まずは私のいる研究室からの眺めです。あさ8時30分頃ですが,まだまだ雪が降り続いています。ランドルフ記念講堂の左下に葉を茂らせて雪帽子をかぶっているのがツブラジイの大木で,それ以外の自然林の木々は大部分が葉を落とし,枝を白くさせていますね。

 こちらは第3駐車場から見た自然林です。私がこのブログを担当して最初の頃,この場所を「定点観測」した写真をお見せしましたが,高木層のアベマキにまだ紅葉した葉が残っているため,そこに雪が積もって白く見えます。そしてそこで雪が遮られて,低木層の常緑樹は上だけまるで白い粉を軽く振ったかのよう。
 里山の冬の表情もなかなか素敵ですね。

2012年12月7日金曜日

第23回炭焼き

 みなさまこんにちは,よしだです。

 寒い一日となった今日,KSCでは炭焼きを行いました。材料の竹は先週金曜日に小野先生が,今週水曜日に私が切って用意したもので,今日も窯いっぱいに詰め込んで,焚口の薪に火を入れます。今回から家庭用ガスボンベを使ったバーナーで点火となりました。火力が強くすぐに火が入りました。

 さて,最初の頃は例によって煙に巻かれてしまいます。涙を流しながら,交代で薪をくべ,うちわであおぎます。

 今日は上昇気流ができて煙が自然に煙突から出るようになるまで45分でした。これまで1時間ほどかかっていましたから,順調に温度が上がっていることがわかりますね。窯が落ち着いたので,次回のための竹割りもしておきます。

 傍らではこの寒い中ガが飛んでいました。小野先生によれば「フユシャク」だそうで,いわゆる尺取虫の成虫です。温かい時期を避けて冬に現れる変わり者です。

 お昼はKSCの全体会が開催されました…が,参加したのは学生さん3人,教職員4人だけ。とりあえず忘年会の日程だけ決めて(笑),育てているシイタケを窯で焼いて食べました。
↑ 焼いてます(笑)

  今日は寒くて煙突がより冷やされたからか,竹酢液は前回よりもずっと多い 5 L も回収できました。窯の温度も600度を超えるまでに至り,煙の色が青色を帯びるところまで確認し,16時前に窯を閉じました。

 今回作った竹炭は,年明けの一般の方向けの「炭焼き体験講座」で使うことになっています。

2012年12月5日水曜日

猛禽類の撮影に成功!

 みなさまこんにちは,よしだです。

 けさ 8:25 頃だったでしょうか,学内のほとんど葉を落としたアベマキの高木に大きな鳥がいるのを一緒に歩いていた野々垣先生が見つけました。おお!これは明らかに猛禽類です! 写真を撮らねば…と思ってよく考えたら「あっ,カメラ忘れた…。」 幸い野々垣先生がカメラをお持ちで,お借りして撮影しました。かなり遠いですが,頭から尾の先まで 30 cm 以上ありそうです。

 デジタルズームも使ってみましたが,手ぶれしてしまいましたね…(残念)

 さて,この鳥は何でしょうか? 手がかりは
   ・頭部は黒っぽい
   ・腹部は白っぽい
   ・尾が長い
   ・尾に縞模様がある
 といったところでしょうか。候補としてはオオタカ,ハイタカ,ツミあたりで,これらのいずれかではないかと思うのですが,どなたか教えていただけると嬉しいです。
 

2012年12月3日月曜日

里山撮影会を開催しました

 みなさまこんにちは,よしだです。
 今朝も寒くなりました。通勤途中の名城公園では霜柱が立っているのを見かけました。

 さておととい(121日,土曜日)のことになりますが,「秋の里山撮影会」を開催しました。紅葉の美しい景色を撮影しながら,里山について理解を深めていただくためのイベントです。講師はクラス写真や個人のポートレートなど,金城での写真撮影をお願いしているプロカメラマンの永井さんです。

 まずは永井さんによる写真の原理のレクチャーです。絞りとシャッタースピード,絞りと被写界深度との関係など,基礎を学んでいきます。個人的には,「カメラ」の語源が「部屋」だというのが初耳で面白かったです。

  11時から外に出て実際に撮影です。晴れていたとはいえ少し寒かったですね。ここはE3号館の東側で,生育するカエデが見事に紅葉しています! 永井さんのご指導を聞きながら…

この場所でみなさん思い思いに撮っておられます。

  八竜湿地にも行きました。人気なのはコナラなどの紅葉や,シラタマホシクサでした。他にもえんじ色のワレモコウや,写真を撮っているお友達,防火のバケツ(!)まで,みなさんあらゆるものを撮っていました。

 午後からは撮った写真を永井さんに講評してもらいました。中には私を撮った写真も。確かに私も里山に出没する生き物(?)ですが…(笑)。それはともかく「これはこのあたりをカットするといいですね」「これは光を感じますね」など,普通に撮っていては気がつかない視点を気づかせてもらいました。
 初めての企画でしたが,みなさまに楽しんでもらえたようで何よりです。
 参加してくださったみなさま,そして永井さん,ありがとうございました。
 
*一部,スタッフの小野先生,田中さんから写真をお借りしました。ありがとうございました。

2012年11月30日金曜日

あすは里山撮影会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 11月も今日で最後となりました。紅葉も真っ盛りで,大学に隣接する八竜湿地周辺の森もご覧の通り。一口に紅葉といってもさまざまな色彩で彩られています。
天気がよければこの奥に中央アルプスが見え,
雪の山+紅葉の里となります

 紅葉は落葉樹の葉が緑から黄色や赤,オレンジ色になることですが,上の写真で多くを占めるコナラやアベマキなどは木によって色が少しずつ異なり,紅葉にも「個性」があります。しかし下写真の樹種は,決まって黄色になります。

 一つ目はアオハダです。木の幹が少し緑がかって見えるのでこのような名前がつきました。 この写真の左右の太い幹がアオハダの幹(あまり緑色に見えませんが…),真中が紅葉(黄葉)したアオハダの葉です。葉がうすく光を通しやすいので,とても鮮やかな黄色に見えますね。

 もう一つ黄色に色づくのがタカノツメです。タカノツメ,というと普通はあの赤い唐辛子を指しますが,唐辛子とは全く無関係ながら,同じ名前を持つ木があるのです。一般的にこちらのタカノツメは,「冬芽が鷹の爪を思わせるから」と言われています。一つの点から三枚の小さな葉をつけるのが特徴で,それを覚えておけば簡単に識別できます。
 タカノツメの黄色も鮮やかで,里山ではごくありふれた樹種であることもあって,オレンジ色の多い里山の紅葉の中で色を添えています。

 明日,金城ではプロカメラマンの指導による里山撮影会*が開催されます。美しい里山の紅葉を見ながら,そこにある生物の豊かさを知っていただければと思います。

* 里山撮影会はおかげさまで申込者数が定員に達しました。ありがとうございました。
  

2012年11月28日水曜日

初氷の日のサンプリング

 みなさまこんにちは,よしだです。

 寒くなりました。今朝の名古屋の最低気温は1.9度,平年より4日早く初氷を観測したそうです。大学から北の方を見ると,一度は雪の消えた能郷白山(岐阜・福井県境)が,また少し雪をかぶって姿を現していました。
優美な姿が印象的な能郷白山です

 この寒さの中,今日は大学構内の湧水地での月例サンプリングをしてきました。
 
  この2枚の写真とも「森の中の水たまり」にしか見えませんが,いずれも湧き水でできた小さな湿地です。八竜湿地のようなシラタマホシクサなど希少植物は生えていませんが,たったこれだけの環境の違いでも,土壌水分の多い場所を好むヤシャブシという木が生えていたりして,それなりの生態系ができているのです。

 金城の中にはこのように湧き水がしみ出している場所がいくつもあり,分析用のサンプルが得られるほど水がたまっている場所だけでも6ヶ所を確認しています。それぞれの水を毎月分析して,どのような水質の特性があるのか,あるいは何らかの異常が発生していないか,モニタリングしているのです。
 

2012年11月25日日曜日

鈴鹿市・四日市市の湿地にて

 みなさまこんにちは,よしだです。

 秋の快晴の今日の日曜日,三重県鈴鹿市と四日市市の湿地へ水質調査を行うためのサンプリングに行ってきました。ちょっとしたドライブ気分,と言いたいところですが,三連休の最終日とあってあちこちで渋滞に巻き込まれてしまいました。でも運転中に白山や御岳,南アルプス(聖岳かな?)が見えたので,よしとしましょう。

 まず行ったのは鈴鹿市の金生水沼沢(かなしょうずしょうたく)です。地元の保全活動を行っている方に案内していただいたのですが,水田が広がる平地の一角にあり,近くを流れる鈴鹿川の伏流水で涵養されている湿地なのだそうです。

  しかし,周辺開発によって湧き水の量が減少してしまい,地下30 m からくみ上げた地下水を導水して湿地環境を保っているとのことでした。
 サンプリング中には瑠璃色の美しい鳥カワセミを見ることができました。猛禽類やタヌキ・キツネも来ているそうです。 植物も,侵入した草や木を刈ったりした活動が功を奏して,湿地性の植物がまた復活しつつあるとのこと。頭が下がる思いです。

 一方こちらは四日市市にある御池沼沢(おいけしょうたく)です。かつてはかなり広い面積の湿地だったそうですが,現在は水田化し,東部と西部に分断されています。こちらも導水で水を確保しているのですが,東部地区ではかなり水が少なく,予定していたポイントでサンプリングすることはできませんでした。

 下の写真が御池沼沢の西部地区で,こちらは水があってサンプリングができました。設置された長い導水管が,水の確保に大きな役割をしていることがよく理解できました。
 サンプリングした水はイオンクロマトグラフィーという装置を使って分析を行います。分析が湿地の保全に少しでも貢献できればと思っています。
 

2012年11月24日土曜日

エクステンションプログラム

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょうは3連休の中日ですが,私は薬学部のエクステンションプログラムの担当日となっているため大学にやってきました。普段私が行っている水の分析に関連して,分析方法や水質の状況についてお話をいたしました。

 下の写真は大学の西にある二ツ池です。散歩するのによさそうな雰囲気ですね。実際この池には生活排水が入っていないようで,少なくとも溶存イオン濃度という指標でみれば比較的きれいな水質です。

 写真はありませんが,大学の東側にある雨池(あまいけ)もほぼ同じ水質です。しかしそれはあくまで溶存イオン濃度でのお話。雨池は生活排水が流入しているようで,懸濁物が多く,それを含めると決してきれいとは言えません。このようにさまざまな指標を使って調査することが大切なのだということをお話しさせていただきました。
 

2012年11月23日金曜日

今日はハイキング,のはずが…

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょうはKSCで岐阜の養老山にハイキングに行く予定でした。しかし天気予報通り雨が降って中止に。きのうもおとといも晴れ,明日もあさっても晴れの予報で,ピンポイントで天気が悪くなるとは,ひとえにハイキングを企画した人の普段の行いが悪いからに間違いありません。
 ちなみに企画した人は誰かというと,はい,私です。申し訳ありませんでした。

 というわけで今日は,ハイキングに行った後のおつかれさま会だけが開催されました。もはや何の「おつかれさま」なのかよくわかりませんが(笑),名駅近くの中華料理店で楽しい会食となりました。
 今日の参加者は5名。みなさん回数の多寡はあれど山の経験はあって,その思い出話や,趣味へのこだわりの話など,このような会だからこそゆっくり話ができるよい機会となりました。

 今日行けなかったハイキングの代わりは,来年春になることでしょう。それまでに普段の行いを改めないといけませんね(笑)。
 

2012年11月21日水曜日

カキの実

 みなさまこんにちは,よしだです。
 きょうの名古屋も澄みきった青空で,真っ白な御岳や乗鞍岳を望むことができました。

 さて,今日はカキについて。金城の中にも何本かカキの木が自生していて,少し前から実をつけています。おそらくその多くは,庭木として植えられていたカキの実を鳥などが食べて,その種子が森にやってきて芽生えたものなのでしょう。もちろん,人の手で植えられたであろう木もあります。 
学内で採れたカキの実です!

 ところでこのカキ,放っておくと2年に1回しか実をつけないのをご存知ですか? 隔年結果といって,豊作と不作を繰り返すのです。これは,実や種子をえさ資源とする動物の個体数を低く抑えるための戦略と考えられています。つまり動物は不作時の量に合わせた個体数しか維持できないため,豊作時は食べきれなくなって種子が残る,というわけです。

 隔年結果はカキだけでなくリンゴなどでも見られます。果樹園では春になると花を摘んで,毎年一定数の果実が稔るように調整をしているのです。
 

2012年11月19日月曜日

猿投山にハイキング

 みなさまこんにちは,よしだです。

 雨上がりの昨日の日曜日,名古屋のちょうど東にある猿投山(さなげやま)にいってきました。標高は 629 m と高くはありませんが,濃尾平野のすぐ端にあるため,名古屋からは標高以上に高く見えます。私のいる研究室からもよく見える山です。

 私にとって初めて行く山であり,今回もまた一人(単独)でしたが,名古屋に近いということもあってか人も多く,道の整備も行き届いており,不安なく山歩きを楽しめました。しかも今はちょうど紅葉のシーズン! 猿投山で一番目立ったのはシロモジの黄葉でした。
黄葉のトンネルです!

 常緑の樹木でも,金城では見られない種もあって楽しいです。幹だけですが,下の写真の左右に見える,やや荒れた感じの樹皮の木はアカガシです。大学に自生するアラカシや,植栽されているシラカシと同じ,カシ(樫の木)の仲間です。

 こちらはツガです。これとよく似た葉をもつのがモミで,モミやツガは山地に多く自生している樹木ですが,標高が 600 m もあれば名古屋のすぐ横でもツガが生育できる環境になるのですね。かなりの大木も見ることができました。

 あいにくアルプスの方面は雲がかかってその姿が見えませんでしたが,濃尾平野は山頂付近から一望することができました。下の写真は知多市の臨海工業地帯(左が製油所,右端は造船所)で,名古屋港を行く船がはっきり見えます。

 で,お約束写真がこちら(笑)。金城もご覧の通り,左端のランドルフ記念講堂・私のいるW10 号館から右端のE7号館に至るまで,手に取るように見えます。望遠レンズでの撮影ですが,一つ一つの建物が区別できますね。
 写真はありませんが,東部丘陵の緑地が瀬戸から金城までつながっていることも見て取れました。

 秋の一日,植物を見たり景色を楽しんだりと,とても充実した山歩きでした。