2024年3月2日土曜日

八竜緑地意見交換会・講演会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 3月になりましたが,暖冬傾向が強かったからか,あまり冬を感じることなく春になりそうですね。早くも先週から沈丁花の花の甘い香りが漂い始めました。

 さて今日(3/2)は大学で「八竜緑地意見交換会」「水源の森と八竜湿地講演会」が行われました。これは毎年この時期に開催しているもので,八竜湿地を含む八竜緑地の保全に関わる行政,保全団体,地元町内会,そして金城学院大学が一堂に会し,昨年一年間の状況報告と今後の活動方針,質疑応答などをするものです。

 金城からは私が参加し,私が調査した水質・流出量・動物調査の結果を報告しました。昨年は雨が少なかった(過去10年の調査で最小でした)ことから,流出量も少なくなったのですが,雨の量に比べて流出量がかなり少なかったので,現在データの確認を行っていることなどを説明しました。

報告会のようすです

 引き続いて講演会です。今回は「八竜湿地の植生とその保全」と題して,名古屋産業大学の長谷川泰洋先生によるご講演をいただきました。
 昨年八竜湿地内で実施した植生調査の結果からまとめられたデータによるご講演で,2017年の植生調査と比べて様々な変化があったとのことでした。

 湿地を放っておけば,さまざまな要因で消滅してしまうものではあるのですが,貴重な自然を守るために人の手で維持をしていく必要があります。簡単な話ではないのですが,少しでもお役に立てられるよう,私も協力を続けていくつもりです。


2024年2月8日木曜日

里山プロジェクト科目の報告会

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 共通教育科目の「里山プロジェクト」で,先日報告会を行いました。「里山プロジェクト」は主に豊田市大野瀬町をフィールドにして,この地域の課題を解決するアイディアを学生さん目線で提案するというものです。今年度は夏に現地を訪問し,各チームで何ができそうか考えてもらいました。
 
 報告会の会場は,大野瀬町内の集会所を予定していたのですが,報告会当日は選挙の投票場になるとのことで,大野瀬町よりも少し名古屋寄りにある稲武町内のホテルに会場を変更して行いました。大野瀬町の方も来られて,みんなの前でプレゼンです。
プレゼンのようすです
 
大野瀬町の方から積極的な
意見や質問がありました
 
 プレゼン後は上の写真のように質問や意見がいくつも出されました。中には詰めの甘さを指摘されることもありましたが,発想の新しさを好意的に受け取って下さることもありました。課題自体が簡単なものではないだけに,簡単に答えが出るわけでもないですが,それでも考えることに価値があると思いました。
 
 プレゼンが終わった後は,同じ稲武町内の「どんぐり工房」に移動しました。ちょうどここでは福よせ雛の展示がされていました。中央にはたくさんのひな人形が飾られていますが,江戸時代に三河の海で作られた塩を信州に運んだ「中馬街道」の道中を表現しているのだそう。
華やかな雰囲気です
 
 せっかくなので学生さんにもひな人形づくりを体験してもらいました。といっても普通のひな人形ではなく,カイコのまゆ玉を使ったお人形です。地元の方に教えていただきながら,まゆ玉に顔を書いたり,着物を着せたり・・・

作ったあとは,みんなで記念撮影です
 
 このまゆ玉も,かつてはこの地域の主要な産業の一つだったそうです。いまはそのような勢いはないですが,中山間地の産業を理解する上で,これも重要なキーワードかもしれませんね。
 
 これで今年度の里山プロジェクトの授業は終了ですが,学生の皆さんには,これを機会に課題を解決する力をさらに向上してもらえたら,と思っています。
 

2024年2月1日木曜日

現代子ども教育学科のみなさんにKSCの紹介をしました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 少し前のことになりますが,現代子ども教育学科の南先生の授業の時間を一部お借りして,KSCの紹介をしました。

 KSCでは,金城祭での里山工作教室や,冬には環境学習講座を開催していますが,どちらも子供さんがたくさん来られます。自然に触れたり,自然のものを使って創作活動をするというのは,子供さんの教育にとても親和性が高いわけで,そういう意味で現代子ども教育学科の学生さんにもKSCの活動をもっと知ってほしいですし,積極的に参加してほしいということで,今回の紹介となりました。

パワーポイントを使ってプレゼンです!

 実はこの話,私が指示を出したり,おぜん立てをしたりして開催したのではなく,教卓の場所に立っている3人の学生さんたちが自分たちで考え,自分たちで行動して開催にこぎつけたのでした。自主的に動いてくれたというのがとても嬉しいです。そしてさっそく活動に参加したいという反応もあったとのこと,嬉しさ倍増です!

 

2024年1月16日火曜日

八竜湿地の水量測定装置の再設置作業

 みなさまこんにちは,よしだです。

 新しい年が始まりましたが,今年もよろしくお願いします。 


 さて,お正月が明けてすぐの頃のことですが,八竜湿地に設置している水量測定装置の再設置作業を行いました。昨年(2023年)は雨が少なかった年で,それに伴って水量も少なくなると予想されたのですが,データを解析したところ,想定よりも水量が少ない結果となりました。それで,装置に水漏れなどがないかの確認とあわせて,装置の再設置作業をすることにしました。以下写真で説明していきます。

作業前の様子です。
装置にかぶせてある網を外し,周囲にある土のうを撤去します。

いったん装置を直立させます。
目で見る限り水漏れはなさそうでした。
このあと,装置の底と接する部分の整地をしていきます。

上流側から見るとこんな感じです。
四角く水がたまっている部分をシャベルを使ったり,
靴底の感覚でできるだけ平らにしていきます。

装置を戻しました。装置の左右前方を土のうで固定し,
左右側面にはシャベルで土砂を入れて水を止めます。

側面にも土のうを積み,装置全体を固定します。

最後に装置にパソコンをつないで,
装置が正常に作動すことを確認をしています。
 

 この日は風もなく気温が高めで,1月の割には過ごしやすい陽気だったので助かりました。1人での作業でしたが,2時間半ほどで完了しました。

 これでしばらく様子を見て漏水などの異常がないか確認し,再設置後のデータと以前のデータとを比較して結果を出そうと思います。

 

2023年12月16日土曜日

里山学習講座「里山で正月飾りとクリスマスリースを作ろう」を開催しました。

 みなさまこんにちは,よしだです。

  本日(12/16),里山学習講座の本年度2回目,「里山で正月飾りとクリスマスリースを作ろう」を開催しました。新型コロナウィルス感染症による中止はあったものの,それ以前から続く人気の講座です。

 以下,写真でその様子を説明していきます。

 まずはわら縄を編むところからスタートです。畠山先生と私が共同担当する授業でお世話になっている豊田市大野瀬町の方々に,わら縄の編み方を指導していただきました。

 

 こん棒で稲わらをたたきます。繊維をほぐして柔らかくするためであるのと同時に,葉を落とすためでもあります。葉を落としておくとできあがりの時の見た目がきれいになります。

がんばってますね~

 この時外では,餅つきに向けて着々と準備が進んでいました。せいろを使ってもち米を蒸しています。

 臼を移動させているところです。臼は石でできているのでとても重いです!

 11:30,いよいよ餅つきが始まりました。小さなお子さんも一生懸命餅をついています。

 少し手慣れた感じの方々も。いい感じにつきあがっていきました。

 つきたてのお餅をお皿に分けていきます。硬すぎず柔らかすぎずのちょうどよい歯ごたえのお餅になりました。今回のり+しょうゆ,つぶあん,こしあん,きな粉の4種類を用意しましたが,一番人気はのり+しょうゆでした。のりがすぐに売り切れになってしまい,もっと買っておけばよかったですね・・・。

 午後は学内の里山に出かけて,正月飾り・クリスマスリースに飾りつける材料を探しに行きました。ソヨゴなどの赤い実に注目が集まっていましたが,松ぼっくりやヒイラギの葉も人気でした。下の写真は,正月飾りに似合いそうなマツの葉を採取しているところです。

 工作室に戻ってきました。クズのつるは午前中,朴先生と私で採取したもの。急斜面のところに生えているので,これだけはこちらで用意しました。

 で,みなさん思い思いに飾りつけをしています。今年も楽しく正月飾り,リースづくりをしていただけたと思います。

 参加してくださったみなさま,ありがとうございました!

 

2023年12月2日土曜日

里山学習講座「竹炭で墨汁を作って書道を体験しよう」を開催しました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 本日12/2(土曜日),里山学習講座の第1回目,「竹炭で墨汁を作って書道を体験しよう」を開催しました。里山学習講座は何年も続けていますが,これは初めての企画。書道部の学生さんの提案で実現しました。

書道部の部室です。
すてきなウエルカムボードを作ってくださいました!

 今回の企画は,竹林拡大の問題を学びつつ,竹を有効活用して書道の作品を作ろう,というもの。まずは大学に竹林や炭焼き小屋を見ていただきました。

 工作室に戻ってまずは竹炭で墨汁を作ります。ふつう墨汁は「すす」と「にかわ」で作るのですが,ここでは竹炭を粉砕したものに「ゼラチン」を混ぜます。ここでKSCメンバーの朴先生から,金城の竹炭を特殊な機械で微粉末にしたものを提供していただきました。これは先生が研究用に調製したものですが,これを使った墨汁も作ってみることにしました。

 続いて学内に生育する細い竹を伐採して竹筆を作ります。筆くらいの長さに切った竹の片方をハンマーでたたいて繊維状にします。

 墨汁と筆が揃ったところで,実際に書いてみます。

 竹炭墨汁は市販の墨汁に比べて滑らかさがありませんし,竹筆も書きやすいわけでもありません。でも,だからこそ少し荒々しさが出るような,独特の風格を持つ作品ができ上りました。これはもう,新しいジャンルと言っていいかも?!

 竹林の拡大は大学構内でも顕著で,いままで竹が生えていなかったエリアに何本もの竹が生育しています。なのでこのような企画を通して,竹林の問題に関心を持っていただけたらと思います。

 

2023年11月23日木曜日

豊田市上高湿地で調査

 みなさんこんにちは,よしだです。

 11/22(水曜日),豊田市の上高湿地で月1回行っている水質調査を実施しました。11月初めはまだ夏日で,その後いったん寒くなったものの,この日はまた暖かくなって小春日和でした。上着を着ていると暑いので,夏山登山に近い服装で調査に入りました。

 しばらく晴れの日が続いていたので水が枯れている箇所もあるのでは?と思っていましたが,水質調査用のサンプリング地点はどこも分析に足りる水が得られました。

ここはよく水が枯れる地点ですが,晴天が続いて
いたにもかかわらず水がありました

採水だけでなく,流出量測定装置の水位計からの
データ回収や,流出量測定装置にたまった土砂の
除去なども行います

足元ではリンドウの花が少しだけ咲いていました

ガマズミの仲間ですね。ちょっと酸っぱいからか,
まだ鳥は食べに来ていないようです

 今回の調査はちょっとしたトラブルもありましたが,全体としてはまずまず順調に終えることができました。暑くなく,秋の花や実もあって,この時期の野外調査は気持ちがいいです。